今年のアイビスSD(G3、芝直線1000メートル、31日=新潟)も内ラチ沿いの奇襲作戦があるかも-。

同じコースで行われた土曜の最終12Rは最内1番枠のケイティレインボー(牡3、杉山佳)がただ1頭、内ラチ沿いを駆け抜けた。18頭立ての9番人気。直線半ばで場内のスクリーンにその位置が映し出されると、スタンドからはどよめきの声が上がった。

最後はカゼノタニノアヤカが馬場の真ん中を突き抜け、外を走った2着インプロバイザーと3着ルドラクシャには0秒1差及ばなかったが、小差の4着。騎乗した城戸騎手は「この枠を引いてしまったので開幕週でしたし、開き直って内を狙いました。(馬は初めての条件で)忙しいイメージでしたけど、上手に対応してくれました」と悔しそうに振り返ったが、9番人気と人気薄だったことを思えば、健闘といっていい。

昨年のアイビスSDは最内枠に入った伏兵バカラクイーンと菅原明騎手が内ラチ沿いを単独で走った。14番人気で3着に激走し、大きな反響を呼んだ。今年は最内1番枠にアイビスSD3年連続連対中(19年1着、20年2着、21年2着)の「千直王者」ライオンボスがゲートイン。他にも内枠勢に魅力的な馬がそろった。

2番枠は大穴メーカーの江田照騎手とトウショウピスト、3番枠は昨年覇者で連覇を狙うオールアットワンス、4番枠は藤田騎手と快速牝馬スティクス、5番枠は韋駄天S2着ロードベイリーフ、6番枠は千直2戦2勝のマリアズハート。今年のアイビスSDも内ラチ沿いの奇襲作戦はあるのか、1頭か、それとも複数の馬が内ラチ沿いを狙うのか…。土曜最終、ケイティレインボーの好走は「昨年同様に開幕週の内ラチ沿いが走りやすい馬場」であることを証明した。日曜メインの電撃5ハロン戦は各馬の作戦にも注目だ。