ルーキー今村聖奈騎手(18=寺島)が、小倉6R新馬戦(ダート1700メートル)を1番人気ヤマニンウルス(牡、斉藤崇)で勝利し、JRA27勝目をマーク。地方競馬での4勝と合わせて、JRA・G1騎乗に必要な31勝に到達した。デビュー169日目での到達は、現行の規定となった96年以降では96年福永祐一騎手、08年三浦皇成騎手(ともに128日目)に次ぐ3番目のスピード記録。2着馬に4秒3差、84年以降のJRA平地レース最大着差での記念すべき達成となった。

いつもと変わらぬ笑顔だった。検量室前に帰ってきた今村騎手は、ともに戦ったヤマニンウルスの肩をなでた。逃げ馬をマークしながら手応え良く2番手を追走。3コーナーで先頭に立つと、直線は後続を離す一方だった。1分44秒3の2歳レコードでの大差勝ち。2着馬との4秒3差は、グレード制導入の84年以降で、JRA平地レースの最大着差だった。

JRA・G1騎乗が可能となる通算31勝目に到達。今村騎手は「調教通りの動きができましたし、精神的にも大人だなと感じさせてくれました。乗せていただいて大変光栄だなと思います」と感謝を口にした。

先週は地方の盛岡と浦和でも白星を積み重ね、13日土曜の小倉でフェニックス賞を制して通算30勝。“G1騎乗資格”に王手をかけていた。ただ、節目の数字が見えても「目の前にある1頭1頭としっかり向き合うだけです」と意に介さず、1鞍1鞍に全力を注いできた。そんな中でつかんだ記念すべき1勝だった。

それでも、浮かれるところは一切ない。「最近になって、やってはいけない妨害行為、接触行為などがありました。現状ではダメだと思いますし、地に足をつけて、デビューしてから言っていた『目の前のチャンスをしっかりものにする』ということを、今まで通り変わらずやっていきたいと思います」とあらためて気を引き締めていた。

JRAの秋のG1シリーズは、10月2日中山のスプリンターズS(芝1200メートル)から開幕。1年目でのG1初騎乗となるか、実りの秋が待ち遠しい。