5番人気ジェラルディーナ(牝4、斉藤崇)が、重賞7度目の挑戦で待望の初タイトルを手にした。

初めてコンビを組んだ横山武史騎手(23=鈴木伸)を背に、直線では狭い内を突いて坂上から鮮やかに抜け出した。勝ち時計は2分12秒7。母はG1・7勝の名牝ジェンティルドンナで良血が開花した。鞍上は昨年のウインマリリンに続く連覇を達成した。

   ◇   ◇   ◇

ジェラルディーナが母ジェンティルドンナ譲りの負けん気の強さで、インの狭いスペースを突き抜けた。坂上からは鋭く伸びた。左手を突き上げ、馬の首筋を愛撫(あいぶ)した横山武騎手は「(福永)祐一さんから癖や特徴を聞いて、それを生かせるよう自分の中で考えて騎乗しました。よくこじ開けてくれたし、馬の頑張りに感謝したいです」とねぎらった。

ようやく重賞タイトルを手にした。確かな能力の裏で、テンションが高まる面もあった。今年はもうひと押しというレースが続いたが、今回はある程度の落ち着きを保てていた。斉藤崇師は「前回の小倉(小倉記念3着)に比べるとおとなしかったし、以前に比べて気性も良くなっています。どこかでタイトルを、と思っていた馬。しっかり前の位置を取り、うまく乗ってくれたジョッキーに尽きると思います」。馬のメンタル面の成長と鞍上の好騎乗をたたえた。

次走は未定だが、優先出走権を得た天皇賞・秋(G1、芝2000メートル、10月30日=東京)を含め、阪神JF以来のG1挑戦が視野に入る。師は「もっと成長してほしいですし、体も増えて気持ちにゆとりを持てるようになれば、もっと良くなると思います」と伸びしろを期待。さらなる進化を遂げ、偉大な母を追う。【井上力心】

◆オールカマーは牝馬強し 今年で牝馬が3年連続の勝利(通算14勝目)。一昨年はセンテリュオ、昨年は4歳牝馬のウインマリリンがそれぞれ制した。

◆ジェラルディーナ ▽父 モーリス▽母 ジェンティルドンナ(ディープインパクト)▽馬主 (有)サンデーレーシング▽調教師 斉藤崇史(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 15戦5勝▽総収得賞金 1億6518万7000円▽馬名の由来 女性名より