21年度の年度代表馬エフフォーリア(牡5、鹿戸)が16日、美浦トレセンの鹿戸厩舎を退厩した。

12日の京都記念を心房細動のため競走中止。14日に所有するキャロットクラブが公式サイトで引退を発表していた。午前11時に20人以上の報道陣が詰めかけた。管理する鹿戸雄一調教師、新馬から全ての手綱を取った横山武史騎手、厩舎スタッフが見送る中、1歩1歩踏み締めるように美浦での最後の勇姿を披露し、馬運車に入っていった。名残を惜しむように横山武騎手は車内に入って別れを告げ、鹿戸師とともに、エフフォーリアを乗せた馬運車が出発するのを見届けた。

横山武騎手は苦楽を共にした相棒との別れに感極まり、涙を流しながら「泣くかなとは思ったけど、やっぱりですね。本当に感謝しかありません。エフフォーリアにはたくさんの経験をさせてもらった。この経験を糧に僕自身ももっと成長しなければなりません。種牡馬という第2の馬生を無事に送ってほしい。そしてエフフォーリアの子どもで大きなレースで勝てたらうれしいです。本当にエフフォーリアが幸せな馬生を送ってくれるのが何より。あの子に僕はムチをたたいてきたので。それが仕事でもあるんですが、もうたたかれることはなくなりますから。本当に幸せで楽しく過ごしてほしい」と万感の思いを口にした。

鹿戸師は「1回天栄に泊まってからになりますが、無事に北海道まで行ってくれれば。体も回復したし、いい状態で送り出せてほっとしています。これまでずいぶん頑張ってくれました。ファンの多い馬だし、本当にありがとうと言いたいです。僕にとっても、厩舎にとっても宝物で、ヒーローでした。種牡馬として大きな仕事も待っていますし、体に気を付けてほしい。機会があれば、エフフォーリアの子どもで大きいレースを、エフフォーリアで勝てなかったダービーを勝ってみたい」と感謝とともに、同馬との今後を願った。

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