長距離界に新星が現れた。2番人気のミクソロジー(牡4、辻野)が、1勝クラスから破竹の4連勝を成し遂げ、重賞初挑戦でタイトルを手にした。

勝ち時計の3分29秒1は3歳以上の芝3400メートルのJRAレコード(09年モンテクリスエスの3分29秒4)を14年ぶりに更新した。西村淳騎手は「直線でよれるところもありましたが、これなら、と思いました」と振り返った。

対応力の高さがある。好発から道中は中団内ラチ沿いを追走。向正面で後方にいたスタッドリーがまくり始めると、同じくルメール騎手のシルブロンも進出を開始。「クリストフ(ルメール)さんの馬が見えたので、それについて行きました」。4角で一気に進路を外に取ると、直線は豪快な末脚を発揮。ゴール寸前でラチ沿いを進んだヒュミドールを首差かわした。

成長力の高さがある。ターニングポイントは3歳夏の休養にあった。辻野師は「去年の夏休みを挟んでから、馬のバランスが良くなったんです」と話す。昨秋からの長距離への起用変更がフィットした。師は2戦連続レコード勝利のケアが優先と、前置きをした後「無事ならば、そういうところも見てみたい」と、天皇賞・春(G1、芝3200メートル、4月30日=京都)への期待ものぞかせた。【阿部泰斉】

◆ミクソロジー ▽父 オルフェーヴル▽母 スターエンジェル(アフリート)▽牡4▽馬主 江馬由将▽調教師 辻野泰之(栗東)▽生産者 タバタファーム(北海道日高町)▽戦績 10戦5勝▽総収得賞金 1億76万8000円▽馬名の由来 mix(混ぜる)とology(~論)の掛合せ