ゆかりの血統でナンバー“ワン”だ。日曜中山の弥生賞ディープインパクト記念(G2、芝2000メートル、5日、3着まで皐月賞優先出走権)にワンダイレクト(牡、藤岡)が挑む。

藤岡師は母、祖母と3代続けて管理。能力を引き継ぐ素質馬で、厩舎悲願の牡馬クラシック制覇へ-。まずはトライアル勝利を目指す。

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「一番」をつかむ準備は整った。ワンダイレクトが皐月賞を見据えた一戦に臨む。前走の若駒Sは直線で勢いよく抜け出したが、左にもたれたところを差されて2着。課題を残しつつも、能力の高さを見せた。

レース後は在厩で調整。1週前追い切りでは3頭併せでしっかりと体を動かした。藤岡師は「さらによくなっている感じ。使った分、中身ができてきた」と上積みを口にする。

期待の“3代目”だ。「この血統に助けられている」と師。厩舎ゆかりの血統で、母ワントゥワンは18年関屋記念から3戦連続でG3・2着、祖母ワンカラットは12年オーシャンSなど重賞4勝。「スイッチのオンオフがはっきりしている性格とかは似ている。父親を引き出すタイプの血統だね」。母と祖母は短距離で活躍したが、この馬は2000メートルで結果を出している。父ハービンジャーの血が影響しているのだろう。

牝馬クラシックは、近親ジュエラー(ワンカラットの半妹)が16年桜花賞を制しているが、牡馬は18年皐月賞サンリヴァルなど2着が最高。「おとこ馬でクラシックを狙いたい。権利以上を、と思っている。勝って(皐月賞に)行ければ。それくらいの素質はある」。なにより、師の名前も藤岡健“一”。厩舎悲願のタイトルへ、第1歩を踏み出す。【下村琴葉】

◆藤岡厩舎のクラシック 牝馬の桜花賞では04年アズマサンダースが2着、16年にジュエラーで初勝利を挙げた。18年はリリーノーブルが3着、オークスも2着と善戦した。牡馬は、14年菊花賞でサウンズオブアースが2着、18年皐月賞もサンリヴァルで2着。あと1歩のところで勝利を逃している。