7番人気のメンコイボクチャン(牡、渡辺貴)が2番手から抜け出し、南関東での初勝利を重賞制覇で飾った。勝ち時計は1分14秒3(良)。沢田龍哉騎手(32)はこのレース初制覇、渡辺貴光師(48)はうれしい重賞初制覇となった。

船橋3日連続重賞の幕開けで波乱を巻き起こした。2番手追走から直線入り口で先頭に立つと、そこから沢田騎手の叱咤(しった)に応えて粘りに粘る。最後は迫るフジコチャンを3/4馬身差振り切った。「早いかなと思ったけど、手応えがよかったので最後まで頑張ってくれと。あまりオッズとか印を気にせず、勝てるもんだと思って乗っていました」と初コンビの鞍上。自身にとってはうれしい地元での重賞勝利だ。渡辺貴師は「追い切りの前日では13番目(フルゲート12頭)で悩ましかったですね。重賞はいろいろ、かみ合わないと。馬は名前の通り本当にめんこいです」と笑顔。次走は6月27日大井の優駿スプリント(S2、1200メートル)を視野に入れている。【渡辺嘉朗】

◆メンコイボクチャン▽父 コパノリチャード▽母 ショウナンランパダ(アグネスデジタル)▽牡3▽馬主 梁川正普▽調教師 渡辺貴光(船橋)▽生産者 ヤナガワ牧場(北海道日高町)▽戦績 9戦3勝▽総収得賞金 2133万1000円▽馬名の由来 かわいい(北海道の方言)+僕ちゃん

<フジコチャン=2着>今野騎手 ちょっと気性的にイレ込むようなところがあるから、そこが改善すればもっと力を出せる。

<クラティアラ=3着>御神本騎手 スタートでつまずいた。内枠だったからリカバリーできたけど。最初に乗せてもらった時より馬っぷりも毛づやもいい。力はついている。

<ワンダーランド=4着>笹川騎手 まだもまれ弱かったり、競馬に慣れて自覚が出てスタートで進まなかったり。ただ、しまいの脚はいい。体も成長途上。跳びは素晴らしい。

<スタードラマー=5着>和田騎手 スタートでつまずいた。思いのほか砂を嫌がっていた。直線はジリ脚で、前走のイメージとは違った。