3歳世代の頂点を決めるダービー(G1、芝2400メートル、28日=東京)の1週前追い切りが17日、東西トレセンで行われた。

3戦無敗の皐月賞馬ソールオリエンス(牡、手塚)は美浦ウッドで併せ馬を行い、横山武騎手を背に軽快な脚取り。手塚師も満足感をにじませた。

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ソールオリエンスが豪快リハを披露した。ドゥラモンド(古馬3勝クラス)を5馬身追走。鞍上の横山武騎手が手綱を抱えたまま、直線半ばで前に出ると、仕掛けにすぱっと反応。自己ベストに並ぶ6ハロン80秒8-11秒1を計時した。鞍上は「いい反応ですね。順調さを表していると思います」と太鼓判。手塚師も「さすがG1馬。今日の動きを見て、ああ駄目だなと思う人はいないでしょう」と笑みをこぼした。

舞台は好転する。右、小回りの中山での近2戦は、ギアを上げる4角でふくれるシーンがあった。左回りの追い切りに初めて騎乗した横山武騎手は「良くも悪くも大差ないかなと。指示を出していないところで手前を替えてしまうあたりは、踏ん張り切れていない部分」とした上で「皐月賞の前から東京の広々としたコースが向いていると思ってました」とうなずく。

史上8頭目の無敗2冠へ、最善を尽くす。手塚師は「距離は大丈夫でしょう。皐月賞は発汗が多かった。普段は大丈夫なので、対応はレース当日に考えます」と策を練る。見た目に残る馬体の緩さと時折見せる若さ。横山武騎手が「完成は古馬になってから」と話すのびしろに、計り知れない能力を感じさせた。【桑原幹久】