東西の逆転候補は? 頂上決戦ダービー(G1、芝2400メートル、28日=東京)の追い切りが24日、両トレセンで行われた。「追い斬り激論」では東西の本紙予想担当が対決。美浦の松田直樹記者が皐月賞2着のタスティエーラ(牡、堀)を推せば、栗東の太田尚樹記者は同3着のファントムシーフ(牡、西村)を支持した。

太田 お互いに皐月賞での本命馬を推す形やな。

松田 タスティエーラは今回もなおいいですよ。ウッド5ハロン67秒1-11秒1でデイライト(3歳未勝利)を2馬身半追走して1馬身先着。馬なりでも実にスムーズな加速でした。何といっても、集中力が改善傾向なのはプラスかと。

太田 皐月賞の時は1週前にチークピーシズ、当週にブリンカーって、馬具を試しとったよな。

松田 今回はクロス鼻革のみです。3週連続騎乗のレーン騎手も「心身がさらに良くなった。集中力に関しては問題にしなくていい」と。そこが前回との大きな違いです。

太田 堀厩舎は当日輸送の競馬なら木曜に追い切ることが多い印象やけど。

松田 ルーティンでは1週前にしっかり、日曜と木曜に軽めです。堀師によると「(先週の)週末にかけて状態が上がるところまでいっていなかったので、週末の追い切りを抜いている」とのことで水曜追いを選択しました。とはいえマイナス評価ではないという見解です。

太田 放牧先がいつものノーザンファームしがらき(滋賀県)やなくて同天栄(福島県)やったのは?

松田 馬主、牧場と協議の上、大型連休と重なった帰厩時期の渋滞を避けるためだそうです。

太田 さすが、理路整然やなあ。でも、ファントムシーフも逆転可能な要因を論理的に説明できるで。

松田 前走は向正面で右後肢の落鉄がありました。

太田 そうや。武豊騎手いわく「道悪で、後ろ脚ならなおさらマイナス」。3コーナーから右にもたれたのは、その影響やと思う。

松田 ツメとか筋肉とかは大丈夫だったんですか?

太田 幸い無事やったみたい。だからこそ4週連続の併せ馬で攻められた。今週もCウッド6ハロン84秒3-11秒3で馬なりのまま、オープンの古馬ソリタリオに首差先着。可動域が大きくて迫力満点や。レジェンドも「強くなりすぎないようにして、動きも良かったし雰囲気もいい。すごくいいと思う」と絶賛。

松田 血統を見ると、半姉ルピナスリードは短距離のオープン馬ですよね。

太田 走りからすれば距離延長は好材料や。ルメール騎手も皐月賞前に「東京2400メートルがたぶんベスト。跳びが大きいから広い競馬場がいい」って指摘しとった。武豊騎手も同じ見解。名手2人が口をそろえるんやから間違いない。梛木助手によると、調教でも実戦でも「骨格が大きくなって、2歳の時より加速に時間がかかる」。中山から東京に替わるのも大歓迎や。

松田 なるほど。で、ぼちぼちオチの時間ですが?

太田 ダービーの雰囲気をぶち壊さへんためにも、ボケは自粛しとくわ…。