出世レースであるユニコーンS(G3、ダート1600メートル、18日=東京)の追い切りが14日、東西トレセンで行われた。「追い斬り激論」では木南友輔記者がドバイ帰りのペリエール(牡3、黒岩)をイチオシ。舟元祐二記者はブライアンセンス(牡3、斎藤誠)の動きを評価した。
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木南 東京開催は来週まであるけど、平地重賞は今週のこのユニコーンSが最後だ。
舟元 しっかり当てて、本格的な夏競馬に備えたいですね。自分はウッドで追ったブライアンセンスが動きがよく見えました。
木南 確かに良かった。ウッドでホウオウノーサイド(古馬オープン)を3馬身追いかけて併入。時計は5ハロン67秒4-11秒5か。馬体も黒光りしていた。
舟元 緩かったこともあって3月の中山デビューですけど、一戦ごとに馬体に迫力が出てきて、特にここ2戦の東京の走りがいい。斎藤誠師も「前走後は短期放牧でリフレッシュ。しまいの反応も良かったです。前走は直線の向かい風が強かったけど、時計を詰めてきた点を評価しています」と自信ありげでした。
木南 昨年に続き、今年も現時点で関東リーディング。実力厩舎の期待馬だ。
舟元 おじはインカンテーション。ダート重賞を6勝し、フェブラリーSは15年2着、18年3着と2度好走。血統的な伸びしろも。
木南 俺がよく見えたのはペリエールだな。
舟元 先週のエプソムCは7番人気ルージュエヴァイユが2着。今週もいちずに黒岩厩舎ってわけですか?
木南 ドバイ帰りだけど、動きを見る限り、状態に不安はないね。ウッドで3週連続の併せ馬。今週もラスト11秒5を馬なりでマークして古馬に先着した。UAEダービーは現地で見たけど、前に行った馬の競馬になってしまった。今回はワンターンの東京で能力を発揮しやすい。黒岩師も「脚をためるイメージの稽古。余力十分でしたし、いいバランスで走れていました。これから先は上の世代と戦っていくわけだし、同世代相手のここはしっかり結果を出したい」と力が入っている。
舟元 05年のカネヒキリなど多くの名馬が走ってきたのがユニコーンSです。
木南 この世代のダート路線はUAEダービー、サンタアニタダービー、ケンタッキーダービーといろんな馬たちが盛り上げてくれた。来年からは「ダート3冠競走」が始まるので、国内の各競走の位置付けも変わっていくかもしれないな。
◆出世レース 地力の問われる東京マイルで行われるユニコーンSはのちの出世馬が多数出ている。過去10年の優勝馬だけでも13年ベストウォーリア、15年ノンコノユメ、16年ゴールドドリーム、17年サンライズノヴァ、18年ルヴァンスレーヴ、19年ワイドファラオ、20年カフェファラオと7頭がG1馬(Jpn1含む)となっている。