デビュー2年目の19歳、佐々木大輔騎手(菊川)が85年の中舘英二騎手(現調教師)の20歳を上回り、84年のグレード制導入後、史上最年少で函館リーディングジョッキーを獲得した。

愛弟子の佐々木騎手の函館リーディング獲得を、師匠の菊川正達調教師(60)が喜んだ。東西の有力ジョッキーがしのぎを削る中での大きな勲章。「やっぱり気持ちの部分が大きいと思います。道中の運びだったり、少しずつ余裕が出てきて、数を乗って勝つことで自信がついている。もともとフォームもきれいでいいものを持っていましたが、今年は顔つきも変わってきたし、メンタルが強くなりました」と精神面の成長を大きな要因に挙げた。

成長を求めて、今年は初めて北海道シリーズへフル参戦。2年目の若手は師と相談して調教、レースに数多く乗れる環境を求めた。トレーナーは「滞在ではより本人の調教がレースに直結します。普段から競馬と結び付けて、馬のことをよく考えて調教に乗るように教えてきました。自分で馬を仕上げなきゃいけないし、乗っている本人しか細かな調整ができない。いい経験になると思いました」と明かす。

当初は滞在の合間を縫って運転免許を取る計画を立てていたが、競馬に没頭する佐々木騎手にはそんな余裕がないそうだ。「忙しくて全然そんな暇がないみたいですよ。調教にたくさん乗ってレースに乗って、全てのレースを見て反省して、午後も厩舎を回って。それくらい競馬漬けの毎日を送っていますからね。そういう努力も結び付いているんでしょう。たいしたものだと思います」と弟子をねぎらった。

函館開催を終え、札幌開催が始まる。今度は連続リーディング、北海道リーディングもかかる戦いに挑む。「今いい勉強ができていますから、もっと伸びると思います」と師。研さんを重ね、常に高みを目指す2年目の騎乗にますます期待が膨らむ。【井上力心】