日曜メインはエルムSですが、土曜メインの札幌日経オープンも熱くなること間違いなしです。スタンド前でペースが落ち着いたと思えば向正面で一気のペースアップ。長丁場2600メートルの駆け引きが好きだという方も多いのではないでしょうか。私も固唾(かたず)をのんで見守る2分30秒あまりの時間が大好きです。

金曜日は主役の2頭を取材してきました。まずは個性的な顔が印象的なシルブロン(牡5、稲垣)。洗い場の様子を撮影させてもらいましたが、白い面積の多い個性的なお顔は近くで見るほどかわいらしさが倍増します。「1年でオープンまで行く馬なんてなかなかいないですよね」と稲垣師も目を見張る成長を昨年秋から遂げてくれています。「美浦と比べても全体的に底上げできた印象です。パドックでのスクーリングも落ち着いていたし、こっちの環境にも慣れて落ち着いてきました」と具合の良さを感じています。最終追い切りに騎乗したルメール騎手も「状態は良さそう。単走でゆっくり走ってくれて走り方もすごくいい。今の芝もいいこの馬にはいい感じだと思う」といい感触を持っていましたよ。

そんなシルブロンに立ちはだかるのが1番人気も予想されるブローザホーン(牡4、中野)です。函館記念はいきなりの重賞挑戦で差のない3着と力のあるところを見せてくれました。今朝方函館から札幌競馬場へ到着し、馬房での様子を見せてもらいました。中野助手は「前回で馬はできているし状態はキープできています。前走も能力のあるところを見せてくれました。もともと器は大きくてやっと成長してきてくれた。ゆかりの血統ですし賞金を加算したいですね」と話してくれました。来年定年を迎える中野師も期待を寄せる1頭。大舞台へ挑むためにも力の入る一戦です。

他にもアケルナルスター(牡4、清水英)について丹内騎手は「絶対距離が延びた方がいい」と条件好転を強調。ダンディズム(セン7、野中)に騎乗の富田騎手も「スタミナがあるし洋芝が合えばいいところに来れると思います。操縦性がすごくいい馬。ゲートが悪いので発馬五分なら」と期待を寄せます。

先々の中距離路線を占う土曜メインの一戦にもどうぞご注目下さい。【井上力心】