13年ぶり2頭目の牝馬制覇だ。5番人気ライオットガール(牝、中村)が、重賞初挑戦でタイトルを手にした。

逃げ馬との直線でのたたき合いを制して、追い込んできた2着馬を首差振り切った。勝ち時計は1分50秒8。開業2年目の中村直也調教師(44)は、のべ18頭目の出走でJRA重賞を初制覇した。今後は放牧に出される予定で、さらに力を蓄える。

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灼熱(しゃくねつ)の新潟の舞台にふさわしい熱戦を、ライオットガールが勝ち切った。両サイドの牡馬を一蹴。最後の直線の目標は逃げ馬ルクスフロンティアのみだった。単独2番手で射程に捉え、4コーナーで勢いをつけて、外からかぶせるように早めにつかまえにかかった。しかし相手もしぶとく粘る。外からは1列後ろにいたオメガギネスの強襲。3頭の熾烈(しれつ)な争いは、ライオットガールの勝負根性と伸び脚が上回った。レース創設2年目の10年ミラクルレジェンド以来の牝馬V。初コンビで大役を果たした岩田望騎手は「依頼をいただいた時からチャンスがあると思っていました。追い出したタイミングは良かったと思いますし、馬がそれに応えて、頑張ってくれました。最後の100メートルは馬に感謝したいです」とパートナーをたたえた。

開業2年目の中村師はうれしい重賞初タイトル。「最後の直線はよく我慢してくれたと思います。しのいでくれという気持ちで見ていました。何度か重賞に出させてもらっていますが、ここで勝てました。ありがたいです」。3歳ダート戦線の新星にもなり「同世代の牡馬にも勝ってくれたし、この先楽しみになります」と話す。この後は放牧を予定。まだ見ぬ大舞台に向けて充電し、さらなる成長を遂げる。【舟元祐二】

◆ライオットガール ▽父 シニスターミニスター▽母 マリアビスティー(ハーツクライ)▽牝3▽馬主 (有)ヒダカファーム▽調教師 中村直也(栗東)▽生産者 ヒダカフアーム(北海道浦河町)▽戦績 9戦4勝▽総収得賞金 7083万9000円▽馬名の由来 1990年代初頭のアメリカのサブカルチャー運動