初制覇か、復活か-。真夏のマイル王決定戦、関屋記念(G3、芝1600メートル、13日=新潟)の追い切りが9日、東西トレセンで行われた。「追い斬り激論」では栗東、美浦ともに5歳牝馬をピックアップ。大阪本紙の太田尚樹記者は重賞初制覇を目指すディヴィーナ(友道)を、東京の阿部泰斉記者は22年福島牝馬S以来の重賞勝利を狙うアナザーリリック(林)に注目した。

太田 関西は暑いわ…。

阿部 先週まで北海道にいたのにもう栗東ですか?

太田 元気があれば何でもできる。ディヴィーナもそうや。坂路4ハロン57秒0-12秒6。弾むような走りで好調そのものやわ。

阿部 前走の同52秒5-12秒0と比べ軽すぎでは?

太田 前走は2カ月ぶりで今回は中2週。真夏やし長距離輸送もあるからな。

阿部 なるほど…。

太田 乗った松館助手も「日曜に時計(同53秒6-12秒3)を出して十分できていると感じた。今日は確かめる程度。全然ダメージがなくてすぐ立ち上げられたし、暑さに負けずいい状態をキープしていて頼もしい」と歯切れが良かった。

阿部 でも、昨年の13着大敗は気になります。

太田 充実度が違うわ。以前は返し馬でテンションが上がりすぎてレースに響いとったけど、2走前から解消されてきた。鞍上との相性やろな。そのM・デムーロ騎手も「G1の時(2走前)は返し馬で掛かってたけど前回は落ち着いてた」って指摘しとった。4、5歳でG1を連覇したヴィルシーナの子。今が旬や。

阿部 さすが大阪本紙…。説得力がある…。

太田 そっちはどうやった?

阿部 アナザーリリックでしょう。美浦芝で馬なり4ハロン52秒4-10秒9。直線のスピード感はピカイチでした。

太田 時計は良さそうやな。

阿部 しかもゴール板を過ぎても勢いを止めずに、向正面手前まで走破。津村騎手は「雰囲気いいですよ。テンの入りが遅かったので流れに乗ってそのまま行きましたが、ゴール板を過ぎた後もいい時計が出ていたと思います」とうなずきました。

太田 でも最終追い切りが芝って初めてやな? なんかあったんか。

阿部 美浦はちょうどウッドチップを入れ替えたばかり。これによって脚が擦り切れてしまうのを避けたんです。林師も「深い理由はないですよ」と笑顔でした。

太田 なるほどな。ちなみに関屋記念は過去10年で5歳馬がトップの4勝。勝つのは俺らが推奨したどっちかやろ! ワクワクしてきたわ! なぁ?

阿部 気温に負けないほど暑苦しい…。元気ありすぎですよ。