日本の競馬ファンにはたまらないシーズンになりそうだ-。23日のヨーク競馬場(英国)、メインの英インターナショナルS直前に行われた3歳限定のG2グレートヴォルティジュールS(芝2370メートル)を日本生まれのハーツクライ産駒コンティニュアス(牡3、A・オブライエン)が制した。レース後、大手ブックメーカー各社は英国クラシック最終戦の英セントレジャー(G1、芝2900メートル、9月16日=ドンカスター)へ向けた同馬のオッズを4・5~5・0倍に設定し、前売り1番人気に浮上している。

アイルランドのクールモアグループが母フラッフを日本へ送り、ハーツクライとの交配で誕生したのがコンティニュアス(半兄2頭はディープインパクト産駒)。2歳時は未勝利戦、フランスのG3トーマスバイロン賞で2戦2勝。今シーズンは英ダービーの前哨戦になるG2ダンテSで3着に敗れた後、仏ダービーに向かい、エースインパクトの8着。ロイヤルアスコット開催のG2キングエドワードSは英ダービー2着馬キングオブスティールから3馬身半差の2着だった。今回は約2カ月ぶりのレース。ライアン・ムーア騎手を背に5頭立ての最後方からレースを進め、直線で突き抜けた。ゴドルフィンのキャッスルウェイやゴスデン厩舎でデビュー3連勝中だったグレゴリーなど他の重賞ウイナーを3馬身以上ちぎる圧勝劇だった。

グレートヴォルティジュールSは英セントレジャーの最重要ステップとして知られており、19年ロジシャンなど、グレートヴォルティジュールS覇者がこれまでに14頭、本番の英セントレジャーを制している。また、凱旋門賞連覇のアレッジドをはじめ、レインボウクエスト、ファンタスティックライトなど多くの名馬がこのレースの勝ち馬に名を連ねている。近年では14年ポストポンド、17年クラックスマン、18年オールドペルシアン、19年ロジシャン、20年パイルドライヴァー、21年ユビアーがその後にG1馬となっている。

今年の英国クラシックは6月に行われた英ダービーをディープインパクト産駒オーギュストロダンが制覇。今度は来月9月に行われる最終戦の英セントレジャーをハーツクライ産駒が勝つことになるのか。日本のファンにとって楽しみすぎる秋がやってくる。