1999年のクラシックは「3強」が熱いレースを繰り広げた。皐月賞はテイエムオペラオー、ダービーはアドマイヤベガ、菊花賞はナリタトップロードと、3頭がタイトルを分け合った。あれから24年。関係者が当時の激闘を振り返る-。

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少し暗い茶褐色の毛色、額から鼻筋へと続く印象的な流星、筋骨隆々の馬体、そして人々を魅了する華麗な走り…。それらを持ち合わせたアドマイヤベガは、武豊騎手すらほれぼれとさせた。「かっこいい馬だった。顔もかっこいいし、馬体もきれいだった。サラブレッドって感じ。かっこよかったね。そして超良血馬」。牝馬2冠を手にした母ベガの背中を知る鞍上は、血統も高く評価する。

ただ、内面には危うさがあった。「繊細な馬だった。性格もきつかったね。勝ち気な感じ。カッと怒ったりする馬だった」。

そんな性格も影響して皐月賞時から体調が上がらず、ダービーはぎりぎり間に合うような状態だった。それでも、大外から一気に差し脚を伸ばして首差で勝利。「とにかく前半は、ごまかして。最後集中させれば、爆発力がすごいから」。鞍上の手綱さばきと馬の能力がかみ合い、ダービー馬として“1等星”に輝いたのである。

(※4月発売「ウマ娘&皐月賞特集号」掲載記事)

【99年3強物語(1)】テイエムオペラオー 和田竜二騎手「なんやこの馬は。とんでもないな」

【99年3強物語(3)】ナリタトップロード 渡辺薫彦・現調教師「あの馬がいなかったら…」