26、27日の札幌競馬場で「2023ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)」が開催される。イタリア出身で初出場となる名手ウンベルト・リスポリ騎手(34)は短期免許で来日していた14年以来、9年ぶりとなる日本での騎乗。24日朝は札幌芝コースなどを入念にチェックした。11年にG1制覇を果たしたキンシャサノキセキ産駒などの騎乗馬とともに、初出場初優勝を目指す。

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30度を超える炎天下の札幌に、WASJ初参戦のリスポリ騎手が現れた。芝コースを1周しながらダートなどもチェック。「ベリーホット」と汗だくになりながら「芝は少し荒れているね」などと、馬場状態を入念に確認した。

同競馬場の騎乗は今回が初めてで、コース形態については「キュート」と独特の表現をした。「これまで騎乗した東京や京都などに比べたら小さいね。ただ、米国で主に乗っているデルマーと比較すれば変わらない。米国は左回りなので、ここの右回りがどうかだね」とポイントを挙げた。それでも、競馬ゲーム「ギャロップレーサー」では何度も札幌で“騎乗”しているそうで「プレステで乗ってるから問題ないよ」とイメージトレーニングはバッチリだ。

奇跡的な騎乗馬にも恵まれた。日曜10Rの第3戦では11年高松宮記念で自身JRA・G1初制覇を果たしたキンシャサノキセキ産駒(バライロノキセキ)が相棒に決定。「彼は特徴的で、簡単な馬ではなかったね。お父さんよりも、落ち着いていることに期待したいよ」と笑顔を見せた。

イタリア出身だが、今回は主戦場の米国代表としての参戦。両国の思いを背負い、招待を受けたJRAや来日関連でサポートしてくれたルメール騎手に感謝した。「参戦できることを誇りに思うし、世界トップクラスの日本で乗れてうれしい。もちろん勝ちたいし、ここでの出会いがいい方向につながって、(米G1の)BCなんかに日本馬で騎乗できたらいいね」と意気込んだ。【奥田隼人】