ケンタッキーダービー(G1、ダート2000メートル、5月4日=チャーチルダウンズ)の枠順が決まった。はたして、枠順の明暗は? 「未勝利」の17番枠に入ったフィアースネスをのぞく、19頭の枠の最後の勝利を紹介していく。

昨年覇者メイジの全弟で兄弟制覇がかかるドーノック(牡、D・ガーガン)は1番枠に入った。1番枠は1986年ファーディナンド以降、勝ち馬が出ていない。ガーガン師は「ドーノックはここから出てきますよ。だから、世界の終わりじゃない」と力強い。「(2020年から)ゲートが新しくなったので、以前の1番枠とは違う、とみんなが言ってます」と前向きだ。

ブルーグラスS覇者で主催者想定2番人気のシエラレオーネ(牡、C・ブラウン)は2番枠に決まった。2番枠は1978年の3冠馬アファームド以降、勝ち馬が出ていない。末脚を爆発させるタイプで、「それほど悪くはないですよ。希望していた枠よりも少し内に入りましたが、最内枠ではないので大丈夫」とブラウン師。

3番枠は1998年リアルクワイエット以降、勝ち馬が出ていない。アーカンソーダービー3着のミスティックダン(牡)を管理するマクピーク師は「とても気に入ってます。内をうまく走れる馬なので、外枠は必要なかったです」と好感触だ。

4番枠にはルイジアナダービー馬キャッチングフリーダム(牡、B・コックス)が入った。4番枠で最後に勝ったのは2010年のスーパーセイヴァー。今年は3頭出しになるコックス師は持論を述べた。「個人的な意見ですが、枠順(の影響)は過大評価されています。どの枠だっていいんです。能力のある馬ならば、どんな枠だって克服できる。枠順をコントロールすることは私たちにはできないのですから、自分がコントロールできること、つまり、馬を調教することに私たちは集中するべきです」。

フロリダダービーでフィアースネスから離された2着だったカタリティック(牡)は5番枠から大駆けを狙う。サフィー・ジョセフ・ジュニア師は「いい枠を引きました。言い訳のできない枠です。クリーンにゲートを出て、あとはホセ(オルティス)がうまく乗ってくれるかどうかにかかっている」と語った。5番枠は直近で2017年にオールウェイズドリーミングが勝っており、1930年にゲートが導入されてから最多の10勝を挙げている絶好枠だ。

ケンタッキーダービー4勝の名伯楽ウェイン・ルーカスはジャストスティール(牡)の6番枠について、「いいですね。内枠は嫌だった。5番枠より外ならどこでも」とコメント。6番枠は1993年シーヒーロー以降、勝ち馬が出ていないものの、2着は枠順別で最多の8回ある。

7番枠は2021年にマンダルーンが勝利を挙げている。オナーマリー(牡)のベックマン師は「グレートな場所です。準備はできていますよ」と喜んでいる。

8番枠にはブルーグラスS2着のジャストアタッチ(牡、B・コックス)が入った。昨年はこの枠番のメイジが制している。

9番枠に同じくコックス厩舎のエンシーノ(牡)が入った。この枠からは1972年リヴァリッジ以降、勝ち馬が出ていない。

10番枠には伏竜S覇者の日本馬テーオーパスワード(牡、高柳大)が入った。2番目に多い9勝を挙げている枠で、2着も6回。枠番別の連対率では28・7%と最高成績を誇る。最後にこの枠から勝ったのは2005年ジャコモ。3戦無敗で歴史的な勝利をつかめるか。

11番枠には5戦無敗のUAEダービー馬フォーエバーヤング(牡、矢作)が入った。これまでにさまざまな競馬場、レース展開、距離を経験してきたスーパーホース。1988年に牝馬で勝利を挙げたウイニングカラーズ以降、勝ち馬の出ていない枠だが、「世界の矢作厩舎」が日本馬初制覇の快挙を狙う。

1971年キャノネロ以降、勝ち馬が出ていない12番枠にはトラックファントム(牡)が入った。2走前のリズンスターSでは人気の一角シエラレオーネの2着に逃げ粘っている。主催者の公式ニュースはブリンカーを着用する予定と伝えており、先行意欲は高い。

13番枠にはウエストサラトガ(牡)が入った。デメリット師は「13番枠からのスタートはいいと思います。この場にいれることに感謝していますし、一瞬一瞬を楽しみたいと思います」とケンタッキーダービー参戦をかみしめている。13番枠は8年前の2016年にナイキストが制した枠になる。

オールウェザーで連勝し、ケンタッキーダービー参戦の決断を熟考しているエンドレスリー(牡)は14番枠に決まった。同馬はダート未経験。マッカーシー師は「ファンタスティック。7番枠から14番枠の間が良かったので、パーフェクトです」と声をはずませた。14番枠で最後に勝ったのは1961年のキャリーバック。「未勝利の17番枠」に次いで、勝利から遠い枠になるが…。

15番枠にはタンパベイダービー覇者ドメスティックプロダクト(牡)が入った。シエラレオーネと2頭出しのブラウン師は「非常にいい枠に入った。天性のスピードがあり、アイラッド(オルティスジュニア)はたくさんの選択肢を持つことができる」と好感触を口にしている。15番枠は2020年にオーセンティックが勝利している。

16番枠にはグランモーザファースト(牡)が入った。ここまで6戦で2勝3着4回の安定感が魅力の馬。2011年にアニマルキングダムがこの枠から勝利を挙げている。

サンタアニタダービー覇者ストロングホールド(牡)は18番枠に決まった。2019年にカントリーハウスが繰り上がりで勝利をつかんだ枠。ダマート師は「最悪ではない。うまくゲートを出る馬なので、いい位置を取ることができると思う」とコメントした。鞍上はイタリア出身で、現在、西海岸で大活躍中のアントニオ・フレス騎手が務める。

東海岸の前哨戦、ウッドメモリアルを制したレジリエンス(牡)が19番枠。名伯楽ウィリアム(ビル)・モットは「大丈夫です。内枠よりも外枠の方が私は良かった。ある程度のスピードがある馬だけど、1番枠や2番枠で前へ行くスピードはない。ですから、ハッピーです」とコメントしている。鞍上はセニョールバスカドールとのコンビで今年のサウジCを制したアルバラード騎手が務める。19番枠からは2012年のアイルハヴアナザーが勝利を挙げている。

現時点で大外の20番枠には、2度目のケンタッキーダービー騎乗となるレジェンド、ランフランコ・デットーリ騎手を迎えたソサエティマン(牡、ガーガン)が入った。この枠からは一昨年(22年)、伏兵リッチストライクが大金星を挙げたのが記憶に新しいところ。2頭出しのガーガン師はドーノックが最内の1番枠、ソサエティマンが大外20番枠になった。「ソサエティマンは末脚を生かす馬なので、ゲートを出て

中団の10番手あたりを進めれば大仕事をしてくれるかもしれない」と“フランキー”に夢を託す。

さあ、枠順を味方につけ、勝利をつかむのはどの馬か。