凱旋門賞などを行うフランスの競馬統括機関「フランスギャロ」は30日、フランス国内で9月1日からスタートする新たなムチ使用に関するルール(制裁)の詳細を正式発表した。すでに10日に発表されている内容に加え、ムチの超過回数、違反の回数により、どの程度の制裁が与えられるかが記されている。

発表された文面では、「2023年9月1日より、騎手が(1つのレース中に)9回以上ムチを使用した場合、馬は失格となる。これは、その馬が着順から直ちに除外され、決定は当該レースのかけ金が支払われる前に発表されることを意味します」と最初に記され、「裁決委員は騎手がムチを9回以上使用した後に馬が失格となった場合には、より厳しい出場停止処分を課すことになる」と宣言している。フランスでは今年5月1日よりムチの使用回数は4回が限度とされている。

 

◆「重賞競走以外でレース中にムチを5回あるいは6回使用した場合」 1回目の違反は罰金150ユーロ(約2万3300円)以上、2回目の違反は騎乗停止1日間以上、3回目の違反は騎乗停止2日間以上、4回目の違反は騎乗停止4日間以上の処分

◆「重賞競走以外でレース中にムチを7回あるいは8回使用した場合」 1回目の違反は騎乗停止6日間以上、2回目の違反は騎乗停止8日間以上、3回目の違反は騎乗停止10日間以上、4回目の違反は騎乗停止12日間以上の処分

◆「重賞競走でレース中にムチを5回あるいは6回使用した場合」 騎乗停止2日間以上の処分

◆「重賞競走でレース中にムチを7回あるいは8回使用した場合」 騎乗停止8日間以上の処分

◆「レース中にムチを9回あるいはそれ以上使用した場合」 重賞競走以外は騎乗停止15日間以上、重賞競走は騎乗停止30日間以上の処分、いずれの場合も騎乗馬は失格処分

 

※それぞれの制裁は一般的なプロのジョッキーに対するもので、見習い騎手や若手騎手、アマチュア騎手に対しては、さらに重い処分が科される。また、ヒジを肩のラインより上に挙げてムチを使用した場合も戒告や罰金、騎乗停止の処分が定められており、ジョッキーがゲート入りの際に騎乗馬へムチを使用したときも騎乗停止1日間以上の処分を受けることが明記されている。