フランスから遠征したザグレイ(牡4、Y・バルブロ、父ザラク)がG1初制覇を果たした。鞍上はクリストフ・スミヨンで勝ちタイムは2分39秒77。

例年と同様、今年のバーデン大賞も最後の直線は各馬が外ラチ沿いへ進路を選択。6頭の真ん中を進んでいたザグレイが横一線の追い比べから最後に大外から各馬を差し切った。首差2着は16、17年のジャパンCに参戦したイキートスの初年度産駒で、今年の独ダービー2着馬ミスターハリウッド。なお、ザグレイとともに注目を集めていた今年のドイツダービー馬ファンタスティックムーンは馬場状態を理由に、当日に出走を取り消している。

ザグレイは3月のドバイシーマCでイクイノックス相手の3着。前走は地元フランスのG1サンクルー大賞で2着だった。バーデン大賞はドイツにおける凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月1日=パリロンシャン)の前哨戦的な位置付け。大手ブックメーカーのパディーパワー社はこの勝利を受け、ザグレイの凱旋門賞の単勝前売りオッズを26倍から13倍へ上昇させている。

日本馬イクイノックスが制した今年のドバイシーマCは、敗戦した馬たちのその後の活躍が目立っている。2着ウエストオーバーはサンクルー大賞を制し、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSでフクムと頭差の2着。4着モスターダフはプリンスオブウェールズS、英インターナショナルSを快勝。8着の香港馬ロシアンエンペラーは香港のシーズン最後のG1チャンピオンズ&チャターCでロマンチックウォリアーに勝利している。ザグレイが新たにG1の勲章を獲得し、イクイノックスのドバイの勝利の価値がまた高まることになった。