1番人気ディヴィーナ(牝5、友道)が8度目の重賞挑戦で待望のタイトルをつかんだ。

この夏は中京記念、関屋記念とサマーマイルシリーズに挑戦して連続2着。4戦連続コンビを組んだM・デムーロ騎手(44)が1ハロンの距離延長を進言して、それが価値ある1勝につながった。勝ち時計は1分46秒1。今後は優先出走権を獲得したエリザベス女王杯(G1、芝2200メートル、11月12日=京都)に向かう見込みだ。

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隊列に府中の観客がどよめいた。注目の先はディヴィーナ。キャリア17戦目で初めて逃げの手に出た。多少掛かりながら、後続をグングンと離していく。前半1000メートル通過はジャスト60秒。M・デムーロ騎手が絶妙なペースを刻んだ。友道師が明かした。「レース前にミルコが言ってきたんです。『今日は(ペースが)遅くなるかもしれない』と。馬のリズムで行かせて下さいということでね」。鞍上の判断がぴったりとはまった。

2番手と5馬身以上の差で4角を過ぎた。府中の直線の長さは525・9メートル。セーフティーリードではない。後続が猛追する。鞍上の必死の手綱さばきに、ディヴィーナがギアを上げた。2着馬を鼻差しのいだ。M・デムーロは「直線は長かったね。最近は2着ばかりで残念だったから、今日は頑張ろうと思ってた。めちゃくちゃうれしい」。笑顔で勝利をかみしめた。

友道師は「鞍上と相談して」と前置きをしつつ、次走にエリザベス女王杯を挙げた。母のヴィルシーナが12年に2着に入った舞台。師は「お母さんに似ているよね。精神力で最後まで走ってくれるあたりが」と分析する。だからこそ、再びの距離延長だって怖くない。今度は母のリベンジだ。【阿部泰斉】

◆ディヴィーナ ▽父 モーリス▽母 ヴィルシーナ(ディープインパクト)▽牝5▽馬主 佐々木主浩▽調教師 友道康夫(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 17戦5勝▽総収得賞金 1億6238万6000円▽馬名の由来 神がかっている(スペイン語)。