11年オルフェーヴル以来のダービー馬の同年有馬記念Vは成るか。クラシック3冠を皆勤し皐月賞2着、ダービー1着、菊花賞2着。世代をリードしてきたタスティエーラに、キャロットファームの秋田博章社長(75)は大きな手応えを感じている。

最大の名誉であるダービー馬の称号をもぎ取った代償は決して小さくなかった。11月のデビューからダービーまで6カ月で5戦。皐月賞も含めたハイレベルのレースを連戦した疲れは簡単には取れなかった。「菊花賞はやっと間に合ったというのが正直なところ。状態は85~90(%)というところだったかな」。前哨戦を使えず、ぶっつけで3000メートル戦2着は同馬の底力があればこその離れ業だったわけだが、暮れのグランプリに向けてとなると考え方は一変する。「古馬でも秋3戦は大変ですから。ただ、今回のこの馬は1度使って有馬ですからね。余裕を持って臨める。プラスアルファがあると思います」。前走からの上積みは相当期待できる。

長所のひとつとして挙げるのは操縦性の良さ。「東京とか中山とか、この馬はコースを問わないんじゃないかな。なぜかというと、この馬はコントロールしやすいですから」。まして、今回は新馬戦で乗ったムーア騎手を手配できた。現状で1歩リードの感のある最優秀3歳牡馬の座を、ここで盤石のものにする。