温度計がマイナス3度を示す午前4時。ラテン語で「朝日」の名を持つソールオリエンス(牡3、手塚)が、照明に照らされた坂路を素軽く駆けた。

4ハロン64秒3-15秒3で最終調整を完了。同馬の皐月賞制覇記念の帽子をかぶって様子を見た手塚師は「秋2戦もいい出来で、今回も気配はすごくいい。あれ以上やっても本番では出し切れない、と思うぐらいに仕上げた。タスティエーラと差はないと思っている」と熱を込めた。

1枠1番をどう生かすか。過去に中山では4角で外に膨れるシーンもあったが、師は「ダービーでは内枠から馬群に入って位置をとっても大丈夫だったし、インコースで周りに馬がいればああはならないと思う」と内枠の利を強調する。

皐月賞1着、ダービー2着、菊花賞3着からの有馬参戦は76年の「天馬」トウショウボーイ以来47年ぶり。当時は有馬を勝利した。師は「験がいいね」と不敵な笑み。巻き返しへ準備は万全だ。