ラストクロップがクラシックへの夢をつなぐ。日曜東京では15年ダービー馬ドゥラメンテなどが勝ったセントポーリア賞(1勝クラス、芝1800メートル)が行われる。ポッドテオ(牡、畠山)は21年3月2日にこの世を去ったジャングルポケットの最終世代産駒。現役時代に父が01年ダービー、同年ジャパンCを制した府中で出世街道に乗っていく。

時折見せる荒々しさや闘志を前面に押し出すしぐさは、父ゆずり。馬房では人が近づくと耳を絞って威嚇するなど他を寄せ付けないピリついたオーラを放つ。ポッドテオを担当する結城助手は「我の強さや頭の高い走り、心臓の強さなどはジャンポケに似ているところがありますね」と話す。

3着以内を1度も外すことなく、キャリア6戦を積んできた。前走はリステッドのジュニアCで3着と強敵相手のレースも経験した。畠山師が「へこたれてる感じはないね。背腰がしっかりしてきたし攻め馬をしっかり積んで少しずつ体力も強化できている」とうなずけば、結城助手も「またがるとおとなしいし、無駄なことをしなくなった。だいぶ自分のやるべきことが分かってきましたね。体を使えるようになり走り方も良くなっています」と成長を実感している。

父は東京で3戦3勝と無双の力を放ち、3歳初戦では共同通信杯を制した。ポッドテオも初勝利は東京1800メートル。前々で長くいい脚を持続させ、2番手から悠々押し切った。その後2戦は中山を走ったが、師は「勝っているし東京でもいいかなと思う。それなりの位置を取れると思うし、どれくらい踏ん張れるか」とイメージを膨らませる。

マイル路線か、クラシック路線か。「勝ち上がれれば選択肢が増えると思う。上でやれる可能性は秘めている馬だし、勝ちを狙っていきたい」と今後の方向性を占う重要な一戦と位置づける。偉大な父のラストクロップとして、自身の未来を広げる走りを府中に刻む。【井上力心】