キングアブドゥルアジーズ競馬場のメインスタンドの壁には昨年のサウジCを制したパンサラッサと吉田豊騎手と広尾サラブレッドクラブの米山代表の写真がプリントされている。

サウジカップ開催で抜群の存在感を見せる日本馬。サウジC以外の重賞5競走には17頭が出走。今年もジャパンデーになるか。

◆サウジダービー(G3、ダート1600メートル)

日本のフォーエバーヤング(牡、矢作)が断然の主役だ。全日本2歳優駿まで3戦無敗で圧倒的なパフォーマンスを見せてきた。欧州のブックメーカーは単勝1倍台の評価を与えており、9番枠からどのような競馬を見せるのか注目だ。2番手に推されているのが米国のブックンダンノ。重賞実績はないが、リステッドやブラックタイプ競走を走って、ここまで5戦4勝2着1回の成績を残している。初ダートのセットアップ、モレイラ起用のサトノフェニックスも逆転候補。20年にフルフラット(2着ミシュリフ)、21年にピンクカメハメハが制しており、日本勢は3勝目を狙う。

◆リヤドダートスプリント(G3、ダート1200メートル)

日本のリメイク(牡5、新谷)が人気を集めている。昨年は3着に敗れ、2年連続のサウジ遠征。6番枠から川田騎手とのコンビで挑む。2番手以下は大混戦。米国のスケリーはG3・1つを含め、現在7連勝中の快速馬。同じくボールドジャーニーも連勝中。UAEのタズは前走ドバイのG3ドバウィSを8馬身半差で圧勝した。地元のリベリアスステージには地の利がある。海外初挑戦のケイアイドリー、初ダートのジャスパークローネも一発を狙う。日本勢は21年にコパノキッキング、22年にダンシングプリンスがこのレースを制しており、勝てば3勝目。

◆1351ターフスプリント(G2、芝1351メートル)

ゴドルフィンのミステリアスナイトが人気の中心。ビュイック騎手、アップルビー厩舎で、前走はドバイのG2を快勝している。2番手の評価が日本のアグリ(牡5、安田隆)。安田隆厩舎、最後の海外遠征で有終の美を飾れるか。前走でG1英チャンピオンズ・スプリントSを勝ったアートパワー、重賞連勝中のマチルダピコットなど、欧州勢がサウジの高速ターフでどんな走りを見せるか。連覇を狙うバスラットレオン、好枠を引いたウイングレイテストは先行力を生かしたい。日本馬の紅一点ララクリスティーヌにも注目だ。日本勢は22年ソングライン、23年バスラットレオンに続く3連覇がかかる。

◆ネオムターフC(G2、芝2100メートル)

当初はサウジCに登録していたアイルランドのルクセンブルクが断然の存在だ。現在は愛チャンピオンS、香港カップで2戦連続2着。エイダン・オブライエン厩舎の古馬牡馬ではオーギュストロダンに次ぐ実績を持っているエース級の馬が勝ちに来た。鞍上はもちろん、ライアン・ムーア。ただ、13頭立てで大外13枠になり、他馬にもチャンスはあるはず。逆転を狙うのは4歳馬ザフォクシーズと、元マンチェスターユナイテッド監督のファーガソン氏が生産&所有するスピリットダンサーなどの英国勢。日本馬はハーツコンチェルト、キラーアビリティ、スタッドリーの3本の矢で挑む。第1回の20年には日本のディアドラが2着。22年にはオーソリティがこのレースを制している。

◆レッドシーターフハンデキャップ(G3、芝3000メートル)

各馬のハンデが全体的に重く、混戦の様相。欧州のブックメーカーが1番人気に推しているのは、アイルランドのタワーオブロンドン。エイダン・オブライエン厩舎の4歳馬で、昨年の英セントレジャー4着の実績がある。日本馬はアイアンバローズ、ブレークアップ、リビアングラス、エヒトの4頭が挑む。日本勢には22年ステイフーリッシュ、23年シルヴァーソニックに続く3連覇がかかる。

※サウジC以外のレースはJRAによる海外馬券発売は行われない。