きょう6日に開業する福永祐一調教師(47)に迫る連載「新調教師・福永祐一 馬ファースト」最終回は「同期のエール」。同じ96年騎手デビューの和田竜二騎手(46)、古川吉洋騎手(46)、高橋亮調教師(46)がそれぞれの思いを語った。

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立場が変わっても“同期の絆”は健在だ。福永師と同じ96年騎手デビューの「花の12期生」和田竜騎手は、笑顔で後押しをする。「あの人は下準備をしっかりする人だし、何も心配することはない。理想のビジョン等、いろいろ思い描いているものはあるだろうけど、変わらずにやってくれればいい。個人的にはどんな経営をするのか楽しみ」。同期仲間の新たな門出に「装鞍で困ったら手伝うよ。祐一よりも俺の方がうまいはずだから(笑い)。装鞍のことならプロに任せて」とジョークを交えて、エールを送った。

古川吉騎手も、穏やかな表情を浮かべながら「準備にはぬかりないし、何も心配していないよ」と話す。競馬学校時代から30年以上も近くにいた存在。言わずともお互いを理解し騎手としてそれぞれの道を進んできた。「馬に対する考え方もしっかりあるし、自分が言うことは何もない。(福永厩舎が)どういう形になるか分からないし、それは開業してからのお楽しみだね。大丈夫だと思うけど、もし本当に困ったことがあれば言ってくれたら。なんでもするから」とサポートは惜しまないつもりだ。

調教師として“ライバル”となる高橋亮師も「いよいよだな」と楽しみにする。「祐一が騎手の時から一緒にセリとかで馬を見たりしてたからね。プレッシャーはあると思うけど、それを力に変えられる人。ずっと昔からそばにいた同志だし、2人ともにいい流れを作っていきたい」と刺激十分に高みを目指す考えだ。【藤本真育】(おわり)

○…JRAは5日、定年のため同日付で引退した調教師が管理していた馬の転厩先(6日付)を発表した。新規開業の福永厩舎には、安田隆厩舎から22年NHKマイルCを制したダノンスコーピオン(牡5)、松永昌厩舎からナイスネイチャの近親として注目されているライスネイチャ(牡3)、加用厩舎から昨年タンザナイトSを制したカルネアサーダ(牝5)など計18頭が転厩してくることになった。また、安田隆厩舎で昨年阪急杯を制したアグリ(牡5)は杉山晴厩舎へ転厩する。