現役引退が報じられたフランスのオリビエ・ペリエ騎手(51)について、ジョッキー時代に腕を競った蛯名正義調教師(55)が思い出を語った。

「短期免許で外国人が来る流れをつくった人。そつがなくて隙がない。うまかった。柔らかくも乗れた。常に進化していて、一緒に乗れて良かった。これまで来た外国人の中でも一番うまいんじゃないかな。ゼンノロブロイ(04年天皇賞・秋→ジャパンC→有馬記念と3連勝)なんか簡単な馬じゃないと思うけれど、難しい馬を簡単そうに乗る。それがプロ」と騎乗技術や勝負術をたたえた。

また、凱旋門賞4勝の中でも96年エリシオを例に挙げ「凱旋門賞を逃げて勝っちゃうんだからね。(戦術の)幅が広かった」と感心する。当時欧州で逃げ馬はペースメーカーとされるケースが多く、人気馬としては常識破りの乗り方だった。しかもゴールに近づくにつれて差を広げて5馬身差。「大きなレースになるほど強かったね」。自在な競馬ぶりは、日本のトップジョッキーに大いなる刺激を与えた。