「ダービー3勝で嵐の猫の歴史的な年が到来」-。ちょうど1週間前、4日の「ブラッドホース」電子版に掲載された記事の見出しです。競馬ファンなら誰でもわかると思いますが、「嵐の猫」はもちろん大げさに書いた“誤訳”で、これは大種牡馬「ストームキャット」のことです。
今年はケンタッキーダービー(米国)、英ダービー(英国)、仏ダービー(フランス)の3カ国のダービーを、ストームキャットの父系の種牡馬の産駒が制しました。
先月4日に行われたケンタッキーダービーを制したミスティックダンの父はゴールデンセンツ。その父はイントゥミスチーフ、その父はハーランズホリデー、その父はハーランで、その父はストームキャットです。ブラッドホース電子版によると、ストームキャット系種牡馬の産駒がケンタッキーダービーを制したのは、過去7年で4回目になります。
今月1日に行われた英ダービーを勝ったのはジャスティファイ産駒シティオブトロイ。母父ガリレオという血統で、起伏に富んだエプソムの12ハロンを最後まで力強く駆け抜けました。父ジャスティファイは18年のケンタッキーダービー馬。その父はスキャットダディで、その父はヨハネスブルグで、その父はヘネシーで、その父はストームキャットです。
そして、2日に行われた仏ダービー(ジョッケクルブ賞)を勝ったのはロペデヴェガ産駒ルックドヴェガ。父ロペデヴェガ、その父シャマーダルとの仏ダービー父子3代制覇でした。シャマーダルの父はジャイアンツコーズウェイ、その父はストームキャットです。
ストームキャット(83年生まれ、父ストームバード、その父ノーザンダンサー)の現役時代は8戦4勝。BCジュベナイル2着はありますが、超一流ではなかった馬が、種牡馬として、歴史的な名馬になりました。
日本で走ったストームキャットの直子で最も活躍したのはシーキングザダイヤ。母の父としてはロードカナロアがそうですし、有名なのは「父ディープインパクト×母父ストームキャット」のニックス。ダービー馬キズナを筆頭に、リアルスティール、ラヴズオンリーユー、サトノアラジン、ダノンキングリー、ラキシス、アユサン、エイシンヒカリなどの名馬がこの組み合わせから誕生しました。18年の仏ダービー馬スタディオブマンも同じです(18年に直子が日英仏のダービーを勝ちそうだった種牡馬ディープインパクトがメチャメチャすごいことは言わずもがなです)。顕彰馬になったコントレイルは3代母の父がストームキャットです。
今年、日本のダービーを勝ったのはエピファネイア産駒ダノンデサイル(祖母の父の父がストームキャット)。ノーザンダンサー系種牡馬の産駒はシンエンペラーとゴンバデカーブースの2頭で、後者はストームキャット系のブリックスアンドモルタル産駒でした。ブリックスアンドモルタルの父がジャイアンツコーズウェイ、その父がストームキャットです。
米国は当然として、欧州でも勢力を増すストームキャット。ドレフォンやブリックスアンドモルタル、スキャットダディの系統、ヘニーヒューズの系統など、ストームキャット系種牡馬はこれから日本で勢力を広げていくことができるのでしょうか。
日刊スポーツの競馬面、今日(11日)付のメイン原稿はマーメイドSの西塚騎手とロペデヴェガ産駒ホールネス。明日(12日)付の紙面を現在制作中ですが、気付けば、ストームキャット系種牡馬の産駒がメインになっています。どの種牡馬のどんな産駒の話題なのか…、ぜひ明日の紙面を手に取ってもらえれば、と思います。
【競馬デスク@大阪中之島】

