初日は風が安定せず、上がりタイムにバラつきがあった。風向きが刻々と変わり、運も味方につけた者が勝つコンディションだった。1予7Rで先行した棚瀬義大を差せなかった吉田敏洋は「優勝に赤信号ですな」と吉本新喜劇さながらのオチで笑いを誘った。

ヤマコウは棚瀬義大に自分のレースを貫けとエールを送った
ヤマコウは棚瀬義大に自分のレースを貫けとエールを送った

逃げ切った棚瀬は「余裕があった」と手応えがあった様子だった。前期は失格を2回して、来年はA級陥落の恐れがある。今の脚力なら特昇できるだろうが、不安になる気持ちは分かる。私もS級に上がって一度、A級に落ちたことがある。最初のS級は自力で上がったこともあり、S級のすごさが分からないまま自力で戦った。しかし、それがいい経験になった。S級では中途半端な自力では通用しないと痛感し、A級降格後は追い込みに照準を合わせて走った。棚瀬とは戦法も違うし時代背景も違う。一概に比較はできないが、先行するまでの組み立てやペース配分、ヨコへの取り組みなど、やれることはたくさんある。結果的に良かったと思えるレースを心がけることが大切だ。

6月、岐阜G3の3日目が終わった後、棚瀬は点数を計算し「函館は最低でも1、3、1着じゃなきゃ(点数は)取れない」と話していた。結果は3、6、6着だったが、初日から仕掛けにブレがなかった。彼はスター候補生でもある。レースの方程式を壊し「何をしてくるか分からない」と相手に思わせる怖さが必要だ。2予7Rも自分のレースを貫き、北津留翼をどれだけ苦しめられるかが勝負となる。