サウジC(G1、ダート1800メートル、22日=キングアブドゥルアジーズ)に挑む注目人物連載「世界へ挑む 侍ホースマン」の第2回は、高木登調教師(59)が登場。

一昨年のドバイワールドC覇者ウシュバテソーロ(牡8)、昨年のJBCクラシック覇者ウィルソンテソーロ(牡6)の2頭でサウジ、ドバイを転戦予定。まずは世界最高賞金額を誇る一戦で、頂を狙う。

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「実績」のウシュバか、「勢い」のウィルソンか。明け8歳の前者はラストランまで残り2戦。頭差で大魚を逸した昨年のリベンジを目指す。高木師が話す。

「今もこれまで通り普段はうるささがありますし、元気いっぱい。馬体も衰えは感じません」

3連覇を狙った前走東京大賞典は4着。後方馬群に取り付き流れに乗ったが、前3頭とは差があった。

「BCクラシック(10着)の時とはペースの速さが全く違うので、うまく流れに乗れましたが…。頑張ってくれていると思います」

元来たたき良化型。夏季休養後、船橋、米国、大井と使われ、復活への機運が高まる。

「正直なところ、前走はやや急仕上げな感じもありました。1回使ったことで上積みを感じられます」

ドバイWCを制した“メイダンの歓喜”から2年。「テソーロ」の名を世に知らしめたエースが、意地を得意の中東で示す。

「サウジの長い直線は合っていると思います。輸送も慣れたものですし、海外の水が合うようです。相手はそろいましたが、いい走りを期待したいです」

偉大な先輩の背中を追って、新エース候補のウィルソンも牙を研いできた。前走東京大賞典はフォーエバーヤングに1馬身3/4差の2着。ウシュバには3度目の対戦で初先着した。

「うまく立ち回ってくれましたし、力は出してくれました。ただ、相手が強かったですね。ウィルソンも成長していると思いますし、力は確実につけてきていると思います」

前走からデビュー時に在籍した高木厩舎に籍を戻した。約3年の時を経て、心身ともに充実期を迎える。

「気性面で落ち着きがありますね。ドバイ、韓国と海外遠征した昨年の経験も大きいと思います。馬体はもともと良かったですが、年齢を重ねてより良くなっていますね」

昨年はドバイワールドCで4着と善戦。佐賀でG1級を初制覇し、チャンピオンズCではレモンポップに10センチまで迫った。舞台を問わない走りは、高い能力の裏付けだ。

「展開、位置取りも自在ですし総合力が高いと思います。サウジも対応してくれると思いますし、上を狙える馬だと思います」

2頭は9日に美浦ウッドで国内最終追い切り。併せ馬で態勢を整えた。師は「状態は2頭とも前走よりいいです」と自信を持って送り出す。甲乙付けがたい「緑、黄襷、袖黄一本輪」の精鋭が、再び世界を驚かせる。【桑原幹久】

◆24年サウジカップVTR 米国のセニョールバスカドールが初制覇。同じく後方から伸び、先に抜けたウシュバテソーロをゴール前で頭差捉えた。勝ち時計は1分49秒5。日本勢は4頭参戦(メイショウハリオは出走取り消し)。デルマソトガケは5着、クラウンプライドは9着、レモンポップは12着。