2冠目も譲らない。(有)サンデーレーシングはダービー最多タイの4勝をマーク。今年は皐月賞馬ミュージアムマイルをはじめ、同2着クロワデュノール、同10着カラマティアノス、青葉賞2着ファイアンクランツと一挙4頭を送り出す。吉田俊介代表(51)が大一番に挑む、才能豊かな各馬への期待を語った。【取材・構成=桑原幹久】
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戦前の人気は皐月賞1着のミュージアムマイル、同2着のクロワデュノールに集まる。皐月賞ワンツーでのダービー参戦は15年(1着ドゥラメンテ、2着リアルスティール)以来10年ぶり2度目。
「皐月賞をワンツーできた時点ですごいことですし、2頭とも順調にダービーという舞台に臨めるので、送り出す側として楽しみにしています」
皐月賞馬ミュージアムマイルは名前以上? の活躍ぶりだ。
「道中でぶつかる場面もありましたが、モレイラさんが冷静に対処してくれました。改めて敵に回したくないジョッキーだなと(笑い)。たまたまミュージアム“マイル”という名前ですが、血統的にも短い距離でスピードがあるイメージで、そこに(父)リオンディーズだったのでそうなったのかなと」
2歳時は1800メートル、2000メートルで連勝後、1600メートルの朝日杯FSへ矛先を向け、2着と善戦した。
「1頭1頭ベストな選択をする中でホープフルSでも、という話はありましたが、C・デムーロ騎手が継続騎乗できることもあって、朝日杯FSを選択しました。ただ、正直に言ってクロワデュノールがいたことがその選択に影響を及ぼした側面はあると思います」
今年初戦は2000メートルの弥生賞で4着。マイル路線ではなく、クラシックの王道へ向かってきた。
「(ローテ選択は)ちょっと揺らいでいるところではありました。ただ、皐月賞を勝ったので当然ダービーに挑戦しないといけないと思っています。距離も十分にこなしてくれると思っています」
対抗筆頭のクロワデュノールは皐月賞で単勝1・5倍の圧倒的支持を受けた。
「最近ではあまり見ないほどの人気をした中でも自分の競馬をしてくれたと思います。関係者は当然悔しいと思いますけど、悲観することなく、ダービーで巻き返そうという強い意気込みを持って挑戦してくれています」
欧米の中・長距離重賞で活躍した母ライジングクロスの19歳時に生を受けた。
「きらびやかな血統の子がいる中で、特別目立つ子ではなかったですが、調教が進むにつれ、この馬はいい馬だなと。走りや成長の仕方はずっと評価が高かったですね」
昨年6月の初白星から“大物”と騒がれ、東京スポーツ杯2歳S、ホープフルSと連勝した。
「昨年の9、10月くらいに少し調教をセーブしないといけない状況があって、東スポ杯は正直絶対の自信を持って送り出せる感じではないなと。その中でいい競馬で勝ってくれて、ホープフルSには自信を持って臨めました」
3歳初戦で土をつけられたが、2戦2勝の東京でリベンジに燃える。
「ダービーは力を発揮しやすい舞台だと思います。血統背景を見ても距離は延びてよさそうですし、当然期待しています」
共同通信杯2着のカラマティアノスは同代表が副代表を務めるノーザンファーム出身のダービー馬、レイデオロの産駒。
「マイルで勝ちましたが、血統から距離が延びての活躍に期待しています」
例年より1週前倒し開催の青葉賞で2着のファイアンクランツは同クラブからダービー馬となったドゥラメンテの最終世代。
「今年の青葉賞は例年より時計が遅かったので、ダメージも少なくいい状態でダービーを迎えられたらいいなと思います。少しでも多くドゥラメンテの血を継いでくれる種牡馬が出てきてほしいです」
11年オルフェーヴル、12年ディープブリランテ、15年ドゥラメンテ、21年シャフリヤールに続き、勝てば(株)金子真人ホールディングス(個人名義時代を含む)を上回り、単独トップの5勝目となる。
「月並みに言って一番勝ちたいレースですよね。みんなそうだと思います。いまだに子馬が生まれたら『この子はダービー馬になるかな?』という会話になりますから」
ひのき舞台で「黒、赤十字襷、袖黄縦縞」の勝負服が躍動する。

