今週日曜17日の“スーパーG2”札幌記念は、21年以来4年ぶりのAコース開催。Cコース開催の例年との違いはあるのか、現地滞在中の記者が実際に札幌競馬場の芝コースを歩いてみました。
取材日はレース3日前の14日木曜。調教終了後の午前10時すぎから、札幌競馬場施設整備課の秋本秀憲担当課長(馬場造園)のご協力を得て、ゴール前から芝の上に足を踏み入れました。
第一印象は「想像以上に青々しい」。内柵から約2頭目の色が変わり、荒れが目立つ部分はありましたが、1、2コーナーに入ると荒れが緩和され、極端に色が変わる部分はなくなりました。1200メートル戦で使われる向正面に入っても、印象は変わりません。
大きく変化を感じたのは3、4コーナー。各馬がペースアップする場所とあり、内柵沿いは荒れが目立ち、記者も何度か足を取られそうになりました。距離ロスなく内か、ふさふさとした走りやすい外か、判断が分かれそう。直線は内、外に大きな差はなく、フラットな印象。1周1640・9メートル、直線266・1メートル。高低差70センチの平たんコースを歩き、ゴールイン。運動不足の記者は若干息切れしましたが“生”の感覚を足でつかむことができました。
札幌競馬は7月26日、良馬場で開幕。一転、翌27日は重馬場スタートと雨の影響を大きく受けました。記者が札幌入りした先週も平日はどんよりと不安定な天気が続き、時折まとまった雨が降ることもありました。秋本担当課長は「今年の開催は雨の影響を受けることが多く、少なからず馬場の傷みにつながっていると思います。先週9日はやや重スタートで、キックバックも多い印象でした。先週の中日は晴れる時間帯が少なくあまり乾きが進みませんでしたが、今週は今のところ雨量を計測していません。Aコース最終週で使ったなりの傷みがある状態です」と説明します。
6、7月の函館は函館スプリントS、函館記念でレコードが出る「高速馬場」が特徴的でした。秋本担当課長は「基本的な管理方法については函館と札幌で大きく違いませんが、細かな部分や開催時期の違いは多少影響しているかと思います。どちらが良い悪いではないですが、ある程度“北海道らしさ”を求めてこちらに来る馬もいるので、その辺は管理上意識する部分ではあります」と話します。実際、ある騎手から「函館はかなり軽い芝でしたが、札幌はパワーが必要で本来の洋芝っぽい印象です」との声も聞きました。
本州の野芝と違い、北海道の2場では寒さに強い洋芝が使用されています。秋本担当課長は「以前は京都競馬場の馬場管理を担当していましたが、こちらに来てから洋芝の方が明らかに繊細だなと感じています。乾燥が進んでいる状況においては我慢することなく散水を行いますが、今年は天候が不安定なこともあり、平日から週末を見据えた管理を特に心がけています。管理に大きな影響を与える天候の予測情報については、30分に1回更新するほど気にしているところです」と常に難しい判断が求められているそうです。
メンバー構成、ペースなど複数の要因が絡み、馬場状態がすべて左右するわけではありませんが、先週末はやや時計がかかった印象を受けました。秋本担当課長は「私が見ている中でも同じように感じました。使ったなりの傷みや、乾きが遅れたことも影響しているのかもしれません」と分析します。
今週の札幌は週初めから予報がころころと変わり、金曜時点でもはっきりと見えてきません。雨量次第で馬場は変化するため、直前の状態をしっかりと見極める必要はありますが、取材時点では「内がまだ使えて、内外の差はフラット」と判断できます。で、あれば小回りの洋芝コースのセオリーである「内、先行有利」を前提に予想を組み立てるべきだと記者は考えます。金曜10時に枠順が確定しました。貴重な生情報を参考に、吟味して印を打ちたいと思います。【桑原幹久】

