3歳世代の頂点を決めるダービー(G1、芝2400メートル、31日=東京)に、栄誉ある18頭が駒を進める。生産者が愛馬への思いを語る「故郷からエール」では、京成杯覇者グリーンエナジー(牡、上原佑)の辻牧場(北海道浦河町)から応援の声が届いた。1910年設立で創業116年を誇る日高の老舗。ダービー初制覇の夢を、辻助(たすく)社長が語った。

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ダービーは、特別だ。辻社長が色濃い記憶を掘り起こす。

「じいちゃんがいつもダービー、ダービーと言っていて。最期まで言い続けていました。それだけ勝ちたかったんだと思います」

昨年大ヒットしたドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」の舞台である日高地方の浦河町に、祖父の芳雄さんが拠点を築いた。牡馬3冠は皐月賞を58年タイセイホープ、66年ニホンピローエースで、菊花賞を50年ハイレコード、71年ニホンピロムーテーでそれぞれ2勝ずつ。ただ、ダービーは未勝利。ディープインパクトが勝った05年のアドマイヤフジ4着が最高だ。

「イギリスのエリザベス女王もダービーを勝ったことがないんですよ。どれだけ難しいことなんだ、と思いますよ。チャンスがあるなら狙いたいですよね」

希望の星、グリーンエナジーは父スワーヴリチャード、母シンバル2の血統。23年1月29日に生を受けた。

「お母さんは牝馬の子が多くて。いつか大物が出ると思っていたので、久々の牡馬でこれは、と思いました。当時からフットワークはいいものがありましたよ。でも、何か印象があるわけではないので手のかからない子だったと思います」

昨年11月8日、東京芝2000メートルの2歳未勝利戦。ノーステッキで上がり32秒9の末脚を繰り出し、2着に3馬身差で快勝した。「これはひと味違うなと。京成杯を勝った時はうれしかったですね」と予感は重賞制覇で証明された。1冠目の皐月賞7着を経て、大一番を控える。

「半分期待、半分不安。まだ実感はわかないですね。とにかくけがなく無事に走ってきてくれれば。結果はあとからついてきてくれると思います」

手塩にかけた栗毛に、日高の、じいちゃんの夢を乗せる。【桑原幹久】