日本ダービーから約8時間遅れて、フランスのシャティン競馬場では第184回のG1ジョッキークラブ賞がスタートします。
フランスのダービーにあたるジョッキークラブ賞の距離が2400メートルから2100メートルに短縮されたのは今から21年前の2005年のことです。
開催日も近く、同距離で行われるG1英ダービー(芝2410メートル、エプソム)にスターホースを持っていかれることに危機感を強めたフランスギャロ(フランスの競馬統括団体)が主導したドラスティックな改革でした。
伝統を守ろうと反対するホースマンも少なくありませんでしたが、平地シーズンがスタートして、まだ日が浅い5月末に3歳馬に2400メートルを走らせることは負担が大きすぎるという意見や、すでにスピード重視に拍車がかかっていた生産界の流れが、この声を押し切りました。
英国は依然として伝統を守り続けていますが、ニジンスキー、ミルリーフ、シャーガー、ラムタラなどがさん然と輝いた70年代から90年代にかけての熱気は徐々に冷めて、軽く10万人を超えていた競馬場の入場者も昨年は約2万2000人にまで減少、テレビの視聴率も低下をたどるなどガラパゴス化は止まりません。 毎年のように欧州クラシックをにぎわせ、昨年も仏英双方のダービーを制したアイルランドのA・オブライエン調教師は、英ダービーの前売りで人気を集めていた2頭のうち、4戦3勝のコンスティテューションリバー(牡3、父ウートンバセット)を急きょフランスに向けることを発表、未到の4連覇がかかる6月6日(土曜)の英ダービーには前哨戦のG3チェスターヴァーズ(芝2500メートル)を楽勝したベンヴェヌートチェッリーニ(牡3、父フランケル)で臨む方針を明らかにしています。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

