会心のリベンジ! 昨年2着のココナッツブラウン(牝6、上村)が待望の重賞初制覇を果たした。後方から大外をまくって豪快に差し切った。1番人気に応えた北村友一騎手(39)は史上9人目のJRA全10場重賞制覇を果たした。

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左手で、右手で。こぶしを何度も握りしめ、検量室前に広がった笑顔の輪に加わった。まるでG1さながら。夏の女王に輝いたココナッツブラウンの馬上で、北村友騎手は心からの喜びを表現した。

「ちょうど去年のこのレースから乗せていただいて、能力があるのを分かっていてなかなか結果に結びつかず、歯がゆいレースが続いていたので。雪辱を果たせてうれしい」

それは自身のJRA全10場制覇達成を誇ったのではない。史上9人目の偉業を「うれしい」とはしながらも「特に目指していたわけでも気にしていたわけでもない」と受け流した。6歳夏にしてようやく勲章を得た素質馬と、携わる人々への思いからだった。

自信と会心の騎乗だった。後方待機からの大外まくり。腹をくくっていた。

「イメージをつくらず雰囲気が大切。ありのままのレースをした。自分で動いて強い競馬だったと思う」

対照的に上村師は静かに歓喜をかみしめた。「ここは落とせない」と臨んだ一戦を制した安堵(あんど)がにじむ。末脚は現役屈指。そう公言してきた。ただ、繊細な気性から馬運車を苦手としており、かつては水を浴びたように汗をかいていたという。年を重ねて克服しつつあるが「滞在の方がいいのはいい」。昨年には牡馬相手のG2札幌記念でも2着に好走しており、夏の北海道こそが最適。だから負けられなかった。

真のクイーンへ戦いは続く。今後の予定は状態次第だが、鞍上は「この勢いに乗って、もう1つ上のレースでも頑張ってくれたら」と声を弾ませた。その頭上には、曇天続きの札幌にようやく開けた夏空。悔いを晴らした会心を映すように青かった。【太田尚樹】

◆ココナッツブラウン ▽父 キタサンブラック▽母 ルアーズストリート(キングカメハメハ)▽牝6▽馬主 下河辺隆行▽調教師 上村洋行(栗東)▽生産者 下河辺牧場(北海道日高町)▽戦績 16戦5勝▽総獲得賞金 1億8764万6000円▽馬名の由来 茶色の一種