史上初の牡牝3冠制覇ジョッキーへ。18年目の松山弘平騎手(36)が2冠馬ロブチェン(牡、杉山晴)とともに、菊花賞(G1、芝3000メートル、25日=京都)で史上9頭目のトリプルクラウンに挑む。

その胸中を語ったロングインタビューを前中後編の3回に分けてお届けする。【取材・構成=太田尚樹】

-デアリングタクトの3冠挑戦前との心境の違いは

まあ、年をとりましたからね、さらに。それはやっぱり変わりますよね。

-あの秋華賞を勝てたのは大きかったのでは

大きいですね。あそこをとれてなくて、2冠で終わっていて、また3冠のチャンスがきたら「自分じゃできないんじゃないか」とかいう思いも絶対に少し引っかかると思うんですよ。でも、そういうのはないので。

やっぱり18頭いて、みんな勝ちたいわけで、そんな簡単にとれるとは思ってないです。ただ、そこを背負っていくのは自分なので、それに向けてちゃんと準備していかないと。「これで負けたら仕方ない」と思えるような、本当に悔いのない競馬をしたいですね。もちろん勝つつもりでいますし、自信はありますけれども…というところです。

-「3冠馬」と聞いて浮かぶ馬は

ディープインパクトですね。3冠をとった時はまだ競馬学校にも入ってなかったですけど、最後の有馬記念の時(06年)は競馬学校に入っていて有馬記念を見に行ったのですごく記憶にあります。あとはやっぱりオルフェーヴルとかもすごく印象的ですよね。

-今回もデアリングタクトと同じ杉山晴厩舎と挑む

先生の見る目とか見極めとか、そういうのが非常にすごいなと思いますね。勇気だったりも含めて。たとえば、デアリングタクトが秋華賞へ直行したのも、今では当たり前になっているかもしれないですけど、当時はそんなになかったので。あの子に関しては、僕もイレ込みがすごく気になっていたので、もし前哨戦を使っていたら、消耗が激しかったんじゃないかと思います。

ロブチェンに関しては、新馬戦を勝って(いきなり)ホープフルSに挑んだわけじゃないですか。その勇気もそうですけど、本当に見る目、見極めですよね。ジョッキーも(あまり偏らず)いろんなジョッキーを乗せていますけれども、このジョッキーにはこういう馬だとか、そういうところもすごくよく見てるなと思います。

レース前に先生と相談しても、どういう競馬をしようかというのが、まあ一致するんですよ。ジョッキー出身じゃないのに、本当にほとんど一致するので、レース前に話していて楽しいというか、すごいなって。ジョッキー目線にも立てるということですし、いろんな目線に立てる。だから本当によく見えてるんだなと。