念願のビッグタイトルだ。1番人気のアウトレンジ(牡6、大久保)がJpn1初制覇を果たした。松山弘平騎手(36)に導かれ、好位から4コーナーで先頭に立って4馬身差の圧勝。キャリア24戦目でついに頂点に立った。今後は東京大賞典(G1、ダート2000メートル、12月29日=大井)を目標にする見通しだ。

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日本海から吹く潮風を切り、迷いなく攻めた。2周目の3コーナーを待たずに手綱が動く。アウトレンジだ。青い星をちりばめた勝負服が、4コーナーで先頭に躍り出た。白砂を蹴り上げ、突き放す。4馬身差の圧勝。ゴール前では追う手を止める余裕もあった。検量室前に引き揚げてきた松山騎手は、左手を挙げて金沢のファンに応えた。

「惜しい競馬が続いていたのですが、強い競馬をしてくれてうれしい気持ちです。長く脚を使える馬でもありスムーズにと。追ってからは本当に強くて、いい脚で伸びてくれました」

加賀に狙いを絞ったプランが結実した。Jpn1には過去3度の挑戦で2、3、2着。今秋は初戦に同じ舞台の白山大賞典を選び“下見”を済ませた。1番人気で3着に敗れたが、大久保師は「いつものパターンで休み明けはズブさがある。2戦目は状態を上げてくるので」と信じていた。

同じ厩舎で育った父レガーロはJpn1・2着が最高で、アウトレンジがJRA現役唯一の産駒だ。半兄ハピも頂点には届いていない。母クイーンパイレーツも含めすべて所有してきた寺田寿男オーナーとともに、一族の念願をかなえた。トレーナーは「さすがにうれしいしホッとした気持ち」と眼鏡の奥の目を細めた。

次戦には年末の東京大賞典を見据える。大久保師は「7歳になってもパフォーマンスが落ちる感じはないし、来年も一線級でやっていきたい」と息の長い活躍を望む。金沢はゴールではなく、むしろ全盛期のスタートなのかもしれない。【太田尚樹】

◆アウトレンジ ▽父 レガーロ▽母 クイーンパイレーツ(キングカメハメハ)▽牡6▽馬主 寺田寿男▽調教師 大久保龍志(栗東)▽生産者 (株)ノースヒルズ(北海道新冠町)▽戦績 24戦9勝(うち地方10戦3勝)▽総獲得賞金 4億1829万5000円(うち地方2億8080万円)▽主な勝ち鞍 24年浦和記念(Jpn2)、25年平安S(G3)、26年名古屋グランプリ(Jpn2)▽馬名の由来 アウトレンジ戦法より