ＮＹ発のシェイク・シャックのハンバーガーはＬＡでも人気。ハンバーガーは全部で５種類、ホットドッグやサイドも充実しています。

　ロサンゼルス（ＬＡ）はハンバーガー激戦区として知られ、老舗から人気のグルメバーガー、カスタムバーガー店まで多くの店がしのぎを削っていますが、ニューヨークの人気ハンバーガーチェーン「シェイク・シャック」がＬＡに進出してきたのは昨年のこと。オープン当初は店の前に長蛇の行列ができ、多くのメディアも取材に訪れる熱狂ぶりでした。カフェのようにおしゃれな雰囲気で、メニューもハンバーガーからホットドッグ、シェイクにアイスクリームと充実しており、ファーストフードチェーンながらアルコールが飲めることも大きな特徴です。もちろん、オーダーを受けてからパテを焼く最近流行りのスタイルで、フレッシュな野菜と１００％アンガスビーフを使用するなど素材にもこだわっています。それでいて、値段は一番シンプルなチーズバーガーなら５ドル台と他のグルメバーガー店と比べてもお手頃。わずか１年でＬＡ近郊に５店舗を展開するまでに拡大しており、人気店となっています。

おしゃれな店構えも人気の秘訣です。

　しかし、ＬＡには既存のカリフォルニア発の人気チェーン店もたくさんあります。その一つで、「全米ＮＯ・１」に選ばれたこともあるのが、１９６９年にサンタバーバラで生まれたハビット・バーガー。数々の雑誌にも登場し、全米で１番おいしいハンバーガーの称号を手にしたハビット・バーガーは、ＬＡっ子の多くが「一番おいしい」と答える人気店です。人気の秘訣は、炭焼きされたジューシーなパテとバンズ。冷凍肉は一切使わず、バンズもトーストしてあることが最大のウリで、パテにトマト、レタス、タマネギ、ピクルスを挟んだボリュームたっぷりのハンバーガーが、３ドル５０セントと財布に優しいのも特徴です。現在はカリフォルニアを中心に全米１０州に１８５店舗を展開しています。

炭焼きがウリのハビット・バーガーのジューシーなパテとカリっと焼かれたバンズは、文句なしでおいしいです。

　実はこのお店、歴史もとても面白いんです。地元にできたハビット・バーガーを食べた１６歳の少年がその味に感動し、母親からお金を借りて兄と二人でなんとお店を買い取ってしまったのです。本当においしいハンバーガーを安く提供したいとの思いで１０代の兄弟が始めたレストランは、地元のベーカリーで焼いたバンズをハンバーガーの肉と一緒に炭火で焼いて焦げ目をつけて香ばしくするアイディアがウケて大成功。それは現在にも受け継がれており、新鮮な野菜とカリっとトーストされたバンズの組み合わせがおいしさの秘訣となっています。もちろん、注文を受けてからパテを焼くので、とてもフレッシュで熱々です。ＬＡ近郊にも店舗はたくさんありますが、その多くが観光地からは少し離れているためアクセスは不便ですが、日本未進出なのでＬＡに来たなら訪れてみる価値充分です。ちなみに、サイドメニューはフライドポテト以外にもスイートポテトフライやインゲン豆のてんぷらなどもあり、こちらもおすすめです。

ハビット・バーガーの店内には創業当時のお店の写真も飾られています。

　超高級なグルメバーガーも良いですが、お手軽価格で味わえるフレッシュでおいしいファーストフードチェーンも見逃せませんよ。（米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も）