スターズ&ストライプス・チームUSAのヨット
スターズ&ストライプス・チームUSAのヨット

来年は東京オリンピック(五輪)が開催されますが、五輪種目でもあるセーリング競技は日本ではまだまだマイナー競技ですが、アメリカでは世界最高峰のヨットレースである「アメリカズカップ」に代表されるようにとても人気があるスポーツです。アメリカズカップは1851年から続く国際ヨットレースで、初代優勝艇が「アメリカ号」だったことからその名を冠にした世界最古のトロフィーとして知られています。その後132年もの間、アメリカのヨットクラブがカップを防衛してきたため、アメリカではとても人気があります。130年以上に渡ってアメリカズカップを保持してきたのはニューヨーク・ヨットクラブですが、全米各地にはたくさんのヨットクラブがあり、多くのヨット愛好家たちが所属しています。

クラブハウスのテラスからの風景
クラブハウスのテラスからの風景

ここロサンゼルス(LA)にも空港近くにある世界最大の人工ヨットハーバー、マリナ・デル・レイを始めニューポートビーチなどにもヨットハーバーがあり、個人でヨットやボートを所有している人がたくさんいます。ヨットはもともと富裕層の娯楽であるため、そんなヨット愛好家たちが参加する会員制のヨットクラブは上流階級の人たちの社交場にもなっています。ちょっと敷居が高いと感じるヨットクラブはどんな所なのか、LAの南ロングビーチにあるヨットクラブ「ロングビーチ・ヨット・クラブ」を覗いてみました。

クラブハウスの2階はレストランとバー、パーティールームなどがあります
クラブハウスの2階はレストランとバー、パーティールームなどがあります

1929年に設立されたロングビーチ・ヨット・クラブは、2021年にニュージーランドのオークランドで開催される第36回アメリカズカップに5度目のチャレンジャーとしてエントリーしているスターズ&ストライプ・チームUSAが所属している名門クラブです。ハーバー沿いに高級住宅や別荘が立ち並ぶ閑静な住宅街の一角にありますが、この辺りに住む人たちの多くがヨットを娯楽にしており、ここのクラブの会員のようです。ヨットを楽しむだけでなく、クラブハウスの2階にはレストランとバーがあり、温水プールなどの施設も充実しています。平日の昼間は会員が自由にランチに訪れることができるとのことで、このクラブのメンバーであるご夫妻に連れて行ってもらいました。ランチタイムは、目の前で大きな肉の塊を切り分けて作ってくれるサンドイッチがメインで、食べ放題のサラダバーもあります。バーではビールやワインの他、バーテンダーが作ってくれるカクテルも楽しめます。日中は家族連れやご婦人が多く、ワイン片手に奥様たちが食後に麻雀を楽しむ姿もあり、ハイソな世界をちょっとだけ垣間見ることができました。夜もハーバーを眺めながらのロマンチックなディナーが楽しめ、貸し切りにできるパーティールームもあります。テラスからはバースが一望できる絶景で、ソファに座ってくつろいで過ごせる他、屋外プールも利用することができます。

レストランには世界各国のクラブ旗が飾られています
レストランには世界各国のクラブ旗が飾られています

ハーバーには数多くのヨットが並んでおり、アメリカズカップまでの前哨戦となるワールドシリーズを戦うことになるスターズ&ストライプ・チームUSAのヨットも間近で見ることができました。レースとなると莫大な費用がかかりますが、個人でヨットを楽しむ人たちにとっては娯楽の1つ。多くのヨットクラブやマリーナでは、初心者のためのクルーズや体験レッスン、子供向けヨット教室なども行っているので、気軽にヨットが楽しめるのもLAの良いところかもしれません。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)