厨房を備えたトラックで街中を自由に移動して食べ物を販売するフードトラックが、ロサンゼルス(LA)で一大ブームを巻き起こして早10年。そのきっかけとなったのは、韓国とメキシコ料理を融合させたオリジナルのタコスで人気に火がついた「コーギーBBQ」でしたが、今ではタコスやハンバーガー、ホットドッグなど屋台の定番から本格的なパスタや寿司、アイスクリームやクレープなどスイーツまで様々なフードトラックがあり、LAカルチャーの一部になっています。そんな人気のフードトラックが一堂に会するイベント「ファースト・フライデー」が、毎月第1金曜日にベニスビーチのおしゃれストリート、アボット・キニー通りで行われています。

遠くからでも目を引くカラフルでおしゃれなフードトラックがたくさん
遠くからでも目を引くカラフルでおしゃれなフードトラックがたくさん
土地柄ヘルシーなビーガン専門のフードトラックもあります
土地柄ヘルシーなビーガン専門のフードトラックもあります

個性的なセレクトショップや雑貨店、オーガニックフード料理のお店などが立ち並ぶファッショナブルな通りとして今もっとも人気があるアボット・キニーに、第1金曜日の夕方になるとどこからともなく色とりどりのカラフルなフードトラックが集まってきます。午後5時頃にはおよそ6ブロックの道沿いは両側ともずらりと並んだフードトラックで埋まり、駐車場スペースの一部にもフードトラックを囲むようにテーブルやベンチがお目見え。トラックのスライド式の窓が次々と開き、フードトラックの開店時間となります。人気フードトラックには早い時間帯から多くの人だかりができ、犬を散歩させながらお目当ての店を目指す人や近くのバーで一杯飲んだ後に立ち寄る人、夕食を食べに来た家族連れ、金曜の夜を友人らとハングアウトする若者らで、深夜までで賑わいます。

怒った顔のピンクの豚がキャラクターの韓国風タコスのフードトラック
怒った顔のピンクの豚がキャラクターの韓国風タコスのフードトラック
お洒落な雰囲気で若者に人気のメキシカンレストラン「ピンクタコ」のフードトラックは、ド派手なピンク色でひと際目を引きます
お洒落な雰囲気で若者に人気のメキシカンレストラン「ピンクタコ」のフードトラックは、ド派手なピンク色でひと際目を引きます

フードトラックというとB級グルメのイメージが強いですが、メーン州直送のプリプリのロブスターやカニ、揚げたてのチキンやトラック内に設置された窯で焼き上げたピザ、ヘルシーなビーガン料理にエルサルバドルやシンガポール料理など、目移りするほどたくさんのお店があります。そしてどこもフードトラックとは思えないクオリティーの高さに驚かされますが、その分お値段もレストランとさほど変わらない金額設定の所が多いので、ちょっとおつまみというよりも「今日はフードトラックでご飯を食べよう!」と決めて出かけている人が多いようです。また、アボット・キニーにはおしゃれなレストランもたくさんあるので、そちらで食事を済ませた後にアイスクリームやカップケーキなどスイーツを買って食べ歩く人もたくさんいます。

奇抜な外観のフードトラックはLAの文化の一つになっています
奇抜な外観のフードトラックはLAの文化の一つになっています
お寿司もフードトラックで食べられる時代になりました
お寿司もフードトラックで食べられる時代になりました

元祖コーギーBBQは今も営業を続けており、このイベントでも変わらぬ人気を誇っています。タコスやブリトー、ケサディーヤ(トウモロコシ粉から作ったトルティーヤにチーズを挟んで焼いたもの)といったメキシコ料理に韓国焼き肉やキムチをトッピングしたオリジナリティーあふれるフードが人気のコーギーBBQは、タコスが$2.50とお手頃な価格なのも人気の秘訣ですが、メキシカンと韓国料理という意外な組み合わせにハマる人も多く、リピーター率が高いことで知られています。

夕方から続々と人が集まってきて夜10時頃まで盛り上がります
夕方から続々と人が集まってきて夜10時頃まで盛り上がります
こんな感じでフードトラックが道の両側に並んでいます
こんな感じでフードトラックが道の両側に並んでいます

他にも豚まんやベトナムのサンドイッチなど食べ歩きにぴったりなフードも多いので、大勢で行って色々試してみるのも楽しいです。最近はフードトラックから人気が出て実店舗を構えるようになったお店もたくさんあるので、注目のフードトラックをチェックできるこのイベントはLAグルメの最先端といえそうです。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)