ここ数年、内科外来で不眠を訴える人が増えています。新型コロナへの不安や緊張が常にあり、しかも、ストレスや運動不足で体中が凝り固まっています。それをストレッチでほぐしてやることで、自律神経が整い、いい睡眠へと導きます。

ぼくは、お風呂あがり、体が温まったところで、ストレッチをしています。睡眠薬から離脱できたストレッチを2つ紹介しましょう。

<<1>股関節のストレッチ 「カエル足のポーズ」>

あおむけで寝て、ひざを90度に曲げる。足の裏を合わせて、ひざを外側に開き、10秒キープ。手で太ももを押さえてもOK。詳しくは『介護の世話にならない鎌田式「90歳の壁」を元気に乗り越える5つの極意』(エクスナレッジ)を参照。

<<2>大臀筋(だいでんきん)のストレッチ>

左足だけあぐらをかくように座り、右足は伸ばす。伸ばしている右足を両手で持ち、おへそ側で抱えるようにして、右側のお尻を伸ばし、30秒キープ。反対側も。詳しくは『鎌田式ずぼらストレッチ』(宝島社)。

<ベッドの中では腹式呼吸を>

ベッドに入ってあおむけになったら、腹式呼吸をします。まず7秒かけて、おなかをへこませながら、息を吐いていきます。次に、3秒かけておなかをふくらませながら息を吸い込みます。

この繰り返しを5~6回続けると、横隔膜の下にある副交感神経が密集しているところが刺激されます。副交感神経が刺激されると、体全体がリラックスモードに入るので、睡眠前の作法としておすすめです。(医師で作家・鎌田實)