メタボリック症候群は心筋梗塞や脳卒中によって、命の危機を招きかねない。退治したいのはやまやまだが、ストレスがたまっているとストレス発散の食事は乱れがち。それを解決する方法の1つが入浴だ。

「38~40度のぬるめのお湯にゆっくりつかると、副交感神経が優位になってリラックスできます。血流がよくなり、体温が上がって中性脂肪が燃焼しやすいなど、健康に役立つのです」とは、栗原クリニック東京・日本橋(東京都中央区)の栗原毅院長。大学教授時代に脂肪肝がメタボの元凶であることを研究で突き止め、クリニックを開院してからは薬に頼らない生活習慣病の改善を実践し、成果を上げている。

「高血圧やご高齢の方は、入浴法は主治医に相談して指示に従ってください。また、温度が高いお湯は、交感神経を上げて血圧を急上昇させるのでよくありません。脱衣所との寒暖差も身体に悪影響を及ぼすので、脱衣所はあらかじめ暖めておきましょう」

夜にリラックスしてぐっすり眠ると、メタボを退ける成長ホルモンなどが分泌される。朝目覚めたときに、気分をシャキンとさせたいときには、少し熱めのシャワーだけを浴びるとよいそうだ。

「食生活の見直しをしなければと身構えることなく、今日できることから始めましょう。食事や運動、入浴や睡眠を少し変えるだけで、メタボは退いていきます」と、栗原院長はアドバイスする。忙しいときこそ、ひと工夫でメタボを撃退! 健康を維持しよう!(おわり)