「慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ」(出版文化社)などの監修者である東京慈恵会医科大学付属病院栄養部の管理栄養士、赤石定典さんによると、3大栄養素はバランスが大切。まず「タンパク質」は、筋肉、血液、髪の毛などの原料となり、2つめが細胞などをつくる「脂質」、そして3番目が「糖質」だ。「糖質」には、摂取した食事を早くエネルギーに変えてくれる役割があるという。

「糖質は、体を動かすだけでなく、脳の栄養素としても重要です。主食である米、パン、麺類といった穀類やイモ類などに多く含まれていて、消化吸収されると血液中のブドウ糖に変わります。食事のあとに血糖値が上がるのはそのためです。ちなみにこの血糖値を下げるのがインスリンというホルモンで、ブドウ糖を脂肪に変えて体にため込むはたらきがあります」(赤石さん)

糖質はいわば体と脳のエネルギーの源といえる。そして、食事による最適な摂取バランスは、タンパク質、脂肪、糖質の3大栄養素のそれぞれの比でいうと、タンパク質が全体の13~20%、脂質が同じく20~30%、糖質が50~65%。これが理想的な数値だといわれている。

「3大栄養素は、車でいえばエンジンを動かすガソリンにあたります。年をとっても3大栄養素は必ず必要なのです」(赤石さん)

実はこれらの3大栄養素だけを摂取していればいいわけではない。免疫力に不可欠な栄養素が「ビタミン」と「ミネラル」だ。