病院での経験をもとに免疫力を高める食事を提案する、東京慈恵会医科大学付属病院栄養部の管理栄養士、赤石定典さん。

「活性酸素は、老化や生活習慣の乱れなどによって大量に発生し、体内を酸化させ、つまり、サビさせて病気を引き起こすと考えられています。こうした活性酸素を無毒化するのが抗酸化物質による抗酸化作用で、免疫細胞を活性化し免疫を抑制する物質の発生を抑えてくれるのです。抗酸化作用のある栄養素であるビタミンCやビタミンE、野菜に多いポリフェノール、カロテノイド(カロテン)、などを上手に活用しましょう」(赤石さん)

トマトの「リコピン」という成分には強い抗酸化力があり、活性酸素を除去して免疫細胞を助けるはたらきがある。ニンジンのベータカロテンは、アスパラガス、カボチャ、オクラなどにも多い色素で、強い抗酸化力があり細胞を傷つける活性酸素を減らして免疫力の低下を抑制するという。

「近年、ケールというブロッコリーやカリフラワーの原種といわれるアブラナ科の野菜に多い、ファイトケミカルという成分は、がんの予防や免疫力の向上に役立つとして注目されています」(赤石さん)。