阪神にとって負の流れが一瞬にして反転した。DeNAの継投失敗が“追い風”になった。

中西 短期決戦の怖さだった。阪神は最大6点のビハインドをよく引っ繰り返した。逆に大量リードしていたDeNAラミレス監督には疑問符のつく采配が目立ったし、阪神サイドはそのスキに付け入ることができたということがいえる。

阪神が6点を追う7回から、DeNAはバリオスを投入してきた。1死から代打高山、木浪の長短打で1点を返した。ここでエスコバーに交代。

中西 短期決戦の怖さといったのは、DeNAがエスコバーに代わって、今シーズン3試合しか登板していないバリオスをつぎ込んだことだ。余裕をみせたわけではないだろうが、短期決戦に点差は関係ない。大事なのは勝ちきること。自分が現場にいたら10点リードしてもバリオスという選択はあり得ない。

木浪の適時打で1点を返すと、代わったエスコバーに対した近本が遊安で出塁。1死一、二塁から北條の3ランが飛び出した。

中西 7回は“頭”からエスコバーか、国吉、三嶋らがリリーフしてくれば展開は変わっていたかもしれない。阪神はそのちょっとしたスキを付くことができた。8回の攻撃でも併殺崩れからチャンスが広がるなど、阪神に傾いた流れは変わらなかった。

阪神は先勝で圧倒的優位に立った。6日は先発青柳で一気に決めるか…。

中西 ポイントはガルシアの起用法だろう。初戦で3イニング投げたから、第2戦にどう使うか。青柳が投げている3回までに先取点を奪って、主導権を握りたい。【取材・構成=寺尾博和編集委員】