優勝経験がないオリックスが首位で、連覇を狙うソフトバンクが4位で始まったパ・リーグの後半戦。優勝の行方を占う意味でも、今試合で先発するソフトバンク千賀の状態は、かなりのウエートを占めると思っていた。侍ジャパンでは中継ぎでの登板だっただけに、先発でどのくらい投げられるかを注目していたが「さすが」と思わせるほど、状態を上げていた。
立ち上がりの初回は、11球のうち真っすぐが8球。力でねじ伏せた。問題はこの後のスタミナ面だと思っていたが、下位打線には力をセーブしてコントロール重視の投球で、5回と6回は変化球を多めに交え、2安打無失点。6回2死の浅村の打席で痛めていた左足を滑らせヒヤリとしたが、その後の3球目に投げた真っすぐは155キロをマーク。球数も89球を投げ、不安を吹き飛ばした。
正直、侍ジャパンに参加したときは不安だったが、五輪後にもウエスタン・リーグの阪神戦に先発した。この登板では5回4失点で、数字を見ればよくないが、エースが志願しての登板の意味は重い。「1軍で投げる以上、エースであってもやるべきことはしっかりやらないといけない」ということを、チームに示した。そして結果を出したのだから、チームにもたらす効果は計り知れないものがある。
左足の状態は気になるが、この感じで投げられるのなら9月に入れば完投もできるだろう。千賀が復調となれば、ライバル球団とのエース対決も五分以上の戦いが可能になる。まだ3位という立場だが、オリックスはもちろん、他球団にとっても優勝経験の豊富なソフトバンクが一番怖い存在だろう。
あとは打線のテコ入れ。グラシアルが復帰すれば問題ないが、それまで柳田の前を打つ打者がアルバレスでは心もとない。6回1死二、三塁の場面で内角の真っすぐの捕邪飛で無得点。強打者の柳田の前を打つ打者には、ストライクゾーンで勝負してくるのに、分かっていても内角が打てないアルバレスではどうにもならない。しかしその辺は工藤監督も考えているだろう。
エースが復活し、球団記録を伸ばしている強力・投手陣を前面に押し出して戦えれば、少ない失点で押し切れる。千賀のピッチングは、チームに勢いをつけるものだった。(日刊スポーツ評論家)






