日刊スポーツ評論家の佐々木主浩氏(53)が、リアル二刀流を絶賛した。投手大谷翔平の新フォームの仕上がりを高く評価し、投打「二刀流」での大谷のすごみを語った。

   ◇   ◇   ◇ 

大谷は、投球フォーム的には「これだ」とつかんだものがあるのではないだろうか。12日(日本時間13日)の前回登板のブルージェイズ戦で、テークバックの小ささに驚いたが、その点に関してはこの日のタイガース戦も変わらなかった。ダイナミックさは消えた一方で、フォームは安定し、制球力が上がった。8回を投げ、無四球で球数は90球。本人的にも手応えを感じる投球だっただろう。

この日はスプリットが良かった。割合が増えた中盤以降はより効果的で、6回はスクープ、カブレラを連続三振。真っすぐ縦に落ちたのは腕が横振りではなく、縦にしっかりと振れた証拠である。スプリットがいい落ち方をする時は調子が良く、大谷が終盤は「全部三振を狙いにいくぐらいの気持ちで」と話したように、スプリットがいいので追い込めば三振を取れる感覚だったのではないか。

普通の選手なら、キャンプ、オープン戦を経て、フォームを固めるが、規格外の大谷はシーズンの中で対応していった。今年は故障明けのシーズンで、ブルペンで球数も投げられなかっただろうし、二刀流なので、投手の練習に専念するわけにもいかない。調整は難しかったはずだが、8月中旬には自分の形を見つけ、勝負する態勢を整えた。彼の器用さと能力の高さがあるから、こんなとんでもないことができる。

バッターとしては、日本人選手初の40本塁打に達した。シンプルに「すごい」と言うしかない。過去を振り返っても、メジャーリーグでパワーで勝負した日本人選手はいなかったわけだし、それも投手、打者の両方で力勝負できるのだから、本当に「すごい」。残り40試合で何本までいくのか、非常に楽しみである。

対戦するピッチャー目線で見れば、打者大谷はスイングスピードが速いし、ホームランを打てるツボを持っているから、コントロールミスした瞬間に簡単に長打を打たれる印象。投手は試合の中で何球か投げミスがあるわけで、それを1発で仕留められるのが打者大谷のすごみである。

今後、順調に先発ローテーションを回れば、残りは6試合ほどの登板が予想される。この日のように8回まで投げ、クローザーに渡すのがベストな形で、1イニングでも多く投げれば大谷に白星がつく可能性は高くなる。この2試合の安定感を見れば、自身初の2ケタ勝利にも届くだろう。(日刊スポーツ評論家)

40号を放つ大谷(AP)
40号を放つ大谷(AP)