阪神佐藤輝が2打席連続の37、38号を放つ活躍を見せた。5回2死一塁の場面で中日左腕の近藤から打った2本目のホームランに、今季の成長が凝縮された。
第3打席になったこの回、まず1-2からの4球目、ボールになる外角スライダーに対してバットが止まった。昨シーズンまでなら空振りしてもおかしくないシーンだ。
近藤は「真っスラ」するタイプで、追い込まれてもインコースには来ないだろうという読みも働いたのかもしれない。その外角に流れていく変化球を我慢できるようになった。
2-2からの5球目を左越え本塁打にしたのは、外寄りのストレートをうまく運んだ一打だった。今年の佐藤輝はボールをつかまえるまで脱力できているのが特長だとみている。
打球の方向別では、この38号本塁打が、今季6本目の左方向への当たりだった。逆方向のあそこまで運べるのは、インパクトの瞬間にバットのヘッドが走って、もっとも力が伝わっている証拠だろう。
その前の第2打席の37号右中間本塁打は完璧だった。確かに三振数も多いが、今は追い込まれても打席内で余裕を感じる。「40本塁打、100打点」にこだわることなく、それ以上を目指してほしい。
CSまで先が長い阪神だが、ショート、レフトに据える人材の模索だけでなく、糸原に加えて「代打」で起用する戦力も試しているようだ。チームとしては緊張感を持続しながら調整したい。(日刊スポーツ評論家)




