阪神は2-2の延長10回に守護神ドリスを5番手で起用した。本来は勝ち越した展開か、あるいは相手の打順の巡りが分厚い場面で投入するのがセオリーといえる。だが阪神ベンチは早めに点を与えることはできないという思惑が働いたのか、あえて下位打線から始まる10回につぎ込んだ。

先頭の8番横山に右前打を浴びたが、若月のバント失敗で、オリックスに傾きかけた流れを止めることができた。だが1番西川に左前に抜けるエンドランを決められたのは痛かった。2番太田の遊ゴロで2死一、三塁までこぎつけたが、3番山中の左前適時打で決着をつけられた。

最後はサヨナラ負けを喫したが、この1敗の“あや”は、西勇が4回で降板したことにあった。阪神は5回表、森下の適時二塁打で1点リードを奪うと、その裏から早々と2番手工藤にスイッチ。さすがに先発が4回で降りると継投のやりくりは難しくなっていく。

工藤が5回から2イニングを抑えると、7回から木下を投入したが、その回に同点に追いつかれた。しかも木下は3連投にもかかわらず、8回も続投したのは、内容うんぬんは抜きにして酷だった。そして、9回は岩崎がしのいだが、10回にドリスがつかまった。

つまり西勇が4回で降板したことでブルペンの人選、継投が苦しくなって、それが“ひずみ”となって10回のサヨナラ負けにつながった。阪神は交流戦で雨天中止になった2試合を残しているが、大山が不調で、DHも機能しなかった。石井の穴も埋まっていないからブルペンも厳しい。

この交流戦で、才木を2試合連続スライドして9日のソフトバンク戦で先発させたことにも驚いた。わたしが現場にいたら絶対にしていない戦略で、結果も残念だった。先発も盤石でないから、今の阪神に強いイメージはない。救いは同一リーグでゲーム差がついていないことだ。(日刊スポーツ評論家)

オリックス対阪神 10回裏オリックス2死一、三塁、山中稜真にサヨナラ適時打を浴び、悔しそうに引き揚げるラファエル・ドリス(撮影・前田充)
オリックス対阪神 10回裏オリックス2死一、三塁、山中稜真にサヨナラ適時打を浴び、悔しそうに引き揚げるラファエル・ドリス(撮影・前田充)