4回のピンチで前川が飛球を捕れず、タイムリーエラーにしてしまった。打球に対し、正面に早く入ろうとして、照明が目に入ったのだろう。しかし神宮では照明に気をつけなければならないのは分かっていること。横からのぞき気味にいかないといけない。ああなっては100%、打球は捕れない。

前川については、初回のミスも痛かった。1死一、二塁で、ヤクルト増田の左前タイムリーの場面だ。捕球した後に、三塁に山なり気味の返球で悪送球のエラーとなった。塁上の2人の走者をそれぞれ二、三塁に進塁させてしまうミス。極端にいえば、ワンバウンドの送球でもいいぐらいだ。失点にはつながらなかったが、先発の下村は初回だけで23球を投じるはめになった。ここで体力を使うことは中盤にかけて、大きなダメージとなる。キャリアの浅い投手には、酷だった。

これで先発は4度目だが、下村が登板した試合では野手が足を引っ張るシーンが目立つ。守りで何らかのミスがある。プロ3年目とはいえ、手術を乗り越え、実質、新人のようなもの。耐えて試合をつくっているが、本来は野手が盛り上げないといけない。勝つには勝ったが、野手陣は大いに反省すべき。投手ながら3回の打席ではファウルで粘って、11球も投げさせた。最後は三振に倒れたが、ウォルターズのリズムを崩し、2得点につながった。4回で降板させた、大きな要因にもなった。この姿勢を見て、野手も何かを感じなければならない。

下村の投球に関しては、体力的な部分では課題はあるが、真っすぐ、変化球ともにストライクが取れるし、まとまっている。困った時には、カットボールやスライダーを投げる投手で、ストレートを磨けば、もっと自信のあるボールが威力を増す。いずれにしても、楽しみなピッチャーだ。彼が台頭すれば、先発ローテーションも楽になる。野手は1勝を早くプレゼントしてあげないといけない。(日刊スポーツ評論家)

ヤクルト対阪神 4回裏ヤクルト2死二塁、代打西村瑠伊斗の打球を左翼手前川右京が落球し、ぼうぜんとする下村海翔(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対阪神 4回裏ヤクルト2死二塁、代打西村瑠伊斗の打球を左翼手前川右京が落球し、ぼうぜんとする下村海翔(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対阪神 1回裏ヤクルト1死一、二塁、左翼手前川右京が悪送球した球を追う捕手坂本誠志郎(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対阪神 1回裏ヤクルト1死一、二塁、左翼手前川右京が悪送球した球を追う捕手坂本誠志郎(撮影・鈴木みどり)